50歳を過ぎて、さらに新たなキャリアに挑戦!

ユーチューバーの次に挑戦した職業とは?!

 こんにちは、ランサムはなです。これまで「50歳を過ぎてからのYouTuber」としての挑戦についてお話ししてきましたが、実は私は先月からもうひとつ、新たなキャリアを歩み始めました。新たに挑んだ職業は「社内通訳者」。今回はその挑戦について書いてみたいと思います。

 この連載コラムで以前にも書きましたが (#24)、私は翻訳者としては長年のキャリアがありますが、通訳者を目指し始めたのはほんの3年前です。理由は主に二つあり、ひとつは「これまで続けてきた翻訳という土俵では体力的な限界を感じ、キャリア的な成長が見込めなくなってきたため、別の土俵で仕切り直しをしたかった」。もうひとつは、「若い頃に挫折したことにあえて挑戦し、その頃の私が脱帽するような自分になりたい」と思ったからです。

過去に出来なかったことに「今」挑戦してみる

 私が新しいキャリアに挑戦しようと決めた時、「新しい仕事なら何でもよい」とはせず、あえて「若い頃に挫折したこと」の中から選んだのも大切なポイントでした。なにしろ通訳は、一度挑戦しただけで簡単に挫折しましたから、ほんの少しの前進でも自分史的には大進歩。昔の自分に大きく差をつけることができるはず、と考えると、挑戦するのが楽しみになりました。

 その頃から、「ミドルシニアという今の年齢でどこまで行けるのか、自分を実験台にしてデータを集めてみたい」という、自分の姿を客観的に、少し遠巻きに眺めている第三者的な視点が生まれ、それについて考えるようになっていました。転職のそもそもの目的が「成功」ではなく「データ収集」だと思えば、どんな結果が出ても何らかのデータは取れるので、収穫はあったと思えます。

 若い頃には、このような「実験」を楽しむ気持ちの余裕はありませんでした。若い頃は「失敗してはならない!」と、自分で自分を完璧主義でがんじがらめにしていたと思います。年を重ねた今は、身体が動き、自分の限界に挑戦できていることだけでも感謝できるので、そもそも大それた成功は望まず、「失敗してはいけない」などと非現実的なことも考えません。「失敗は大なり小なり必ずするだろうから、どうすれば致命傷を負わずにリカバリーできるかな」と、考えるようになりました。

 また、この「実験」はミドルシニアとしての自分の成長の伸びしろを測るだけでなく、社会がミドルシニアをどこまで受け入れ、挑戦させてくれるのかというデータを取るためにも有意義だと思います。私が暮らしている米国テキサス州は、おそらく日本国内とは大きく環境が異なるとは思いますが、アラフィフでもアラカンでもまだまだ頑張れる土壌が社会にあることがわかれば素晴らしいことです。

 とは言え、ダメ元のつもりで応募したので、まさかの採用通知が来たときには慌ててしまいました(笑)。そうして実際に新しい仕事を始めてからのドタバタは、次回にでも書きたいと思います。

「現状維持は後退の始まり」

 私がこのような挑戦を続けているもうひとつの理由は、若い頃に聞いた「現状維持は後退の始まり」という諺が心に残っているからです。

 結局のところ、「物事は成長するか退化するしかなく、退化を避けたければ変化を厭わない姿勢が大切だ」という教えだったと思います。湖に優雅に浮かんでいるように見えるアヒルでさえ、状態をキープするために水面下では必死に水をかいています。ならば現状で努力を続けるだけでは不十分ではないか、と思ったわけです。

 正直、長年築いてきた翻訳業から活動の幅を広げるのにはエネルギーと勇気がいりましたが、何も手を打たなければ、退化するだけです。翻訳業を辞めるわけではないし、自分の引き出しを増やすことで総合的な体力もつくだろうと判断して一歩を踏み出しましたが、今は踏み出して良かったと思っています。

50代以降の挑戦は「ボーナスステージ」

 私は、50代以降の人生は、「ボーナスステージ」だと考えています。そう思う理由は、もうすでにひとつの分野(翻訳)である程度の成果を出しているからというのもありますが、自分が20代後半で当時は不治の病だったC型肝炎と診断され、どうなるかわからない状態で更年期までの20年を過ごしたこととも関係があると思います。運よく40代後半で特効薬が開発されて完治することができましたが、特効薬が見つからなければ、50代半ばで肝臓がんになって死んでいたかもしれない命でした。そう思うと、今生きている時間は「ボーナスステージ」であり、せっかく生かしていただいたので、身体が動くうちはできるだけ世のお役に立ちたいと思っています。

 つくづく思うのですが、子育てを終えて一段落したあたりの年代から、私達は自由になる時間が増えます。まだまだ身体も元気な人が多いのに、「私たちはどのように年を重ねるべきか」とか、「残りの人生をいかに有意義に生きるか」「新しいことを学び直そう」などといった議論が聞かれることはまだまだ少ないと感じます。

 ただ手をこまねいて老いを待っているのは、せっかく命をいただいて生かされているのに、なんとももったいない話です。人生百年時代、もっと余生の生き方を問う議論が交わされても良いのではないか、と思う今日この頃です。

ランサムはなのワンポイント英語レッスン

「現状維持は後退の始まり」
「現状維持は後退の始まり」は「Adhering to the status quo marks the beginning of decline」。この言葉は松下幸之助氏の言葉だそうです。「現状(維持)」は「status quo」で、ラテン語から来ています。

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