女性の起業や副業をSNSでサポート

ソーシャルメディアとの付き合い方に悩んでいませんか?

  女性起業家を紹介するシリーズの第5回目は、オンライン広告やSNSアカウントのビジネス運用などデジタルマーケティングに特化した広告代理店・スニフアンドスカリー社の代表、松田絵理さんです。インスタグラムやフェイスブックなどSNSでの自社広告の打ち出し方や投稿頻度、アカウントの運用法などに悩む方が多い中、女性の起業家やフリーランスの方々に寄り添ったサービスを大切にされている松田さんにお話を伺いました。

この数字の意味は何なのか?

質問:個人でもオンライン広告を出せる中、オンライン広告や広報業務を広告代理店に依頼するメリットは何ですか?

 広告代理店の仕事は、クライアントの商品やサービスの広報やPRを代行することですから、利用するメリットはいくつもあります。

 まずは時間と手間。オンライン広告を出すには、所有されているサイトとSNSと広告管理ツールを連携するのに専門的な知識が必要になるので、プロに依頼すれば操作方法を調べて試行錯誤する時間や手間が省けます。また、ご自身だけで考えるよりも、他者の目と経験値が加わることで広告の品質も高まります。

 広報のお仕事の内容は意外と知られていないのですが、広報代行業務を行っている会社はすでにメディアとの接点と経験があるので、広告を出したい商品やサービスと相性の良い掲載先に効率良く出会える可能性も高くなります。

質問:広告にもトレンドがあると思いますが、今のトレンドは?

 以前は広告といえば、テレビや新聞、雑誌など大手メディア媒体に宣伝を目的とした映像(CM)や画像などを出すことでしたが、インターネットが生活に浸透してからはオンライン上で情報収集をする人が急増し、広告の在り方が大きく変わりました。

 今はYouTubeやInstagram、FacebookなどのSNS広告を目にしない日はありませんが、情報過多な時代でもあるので、オンラインでは「広告っぽさを感じさせずに自然と読んでもらえるような画像や動画」を広告として出稿することが求められるようになりました。

質問:松田さんは、なぜ女性の経営者や個人事業主に特化したサービスを提供しようと思われたのですか?

 広告代理店の広告運用者の大半は男性で、数字を管理する仕事なので数字が良い運用者が重宝されるのも事実です。そんな中、私が女性に特化したサービスを提供しようと思ったのは、数字に抵抗感を持つ女性にも安心して広告を運用してもらいたいと思ったからなんです。

 広告を出す以上、良い数字を出すことは重要ですから、数字を見てロジカルにクライアントに解説することが大切になります。でも、数字に苦手意識がある女性は多く、「これは、こうあるべきなので」と杓子定規な説明をされても、なかなか腹落ちできない。というか、少なくとも過去の私はそういう説明では理解ができませんでした(笑)。  ですから、「この数字の意味は何なのか」「結果に至るまでどんな経緯があったのか」など、ひとつずつ丁寧にお伝えできるサービスを届けたいと思ったんです。また、多くの人の目に触れる広告だからこそ、ブランディングを兼ねて自分やサービスを表現したいというニーズが女性にはある、とも感じました。自分がひとつずつ理解を深めていった経験をもとに、女性に寄り添った広告運用のお手伝いをしたいという思いから今に至ります。

「バズらせる必要はありません」

質問:我が社に広告を任せれば「絶対にバズらせます!」とうたう同業他社が多い中、松田さんは「バズらせる必要はありません」とお話されていますよね(笑)。それはなぜですか?

 私がそう言うと驚かれるお客様もいらっしゃいますが(笑)、私は「バズること」よりも、ひとつの広告にはもっと重要なことがあると思っているからです。

 クライアントさんが十人十色であるのと同様、広告代理店にもそれぞれ特色があります。瞬発力やインパクト、価格のお得さの打ち出しを最重視する広告代理店もあれば、スロースタートでも商品やサービスをクライアントと二人三脚でブラッシュアップしながら、ビジネスのパートナーとして長いお付き合いをする広告代理店もあります。

 それで言うと私は明らかに後者で、「真面目で完璧主義で手抜きができない方」や「コツコツ進めるので成果が出るまで時間がかかるけれど、顧客からの評価や信頼がある」という、ウサギと亀に例えるならば亀さんタイプのクライアントさんが得意なんですね。私自身が亀さんタイプで、人生の大半をウサギの機敏さに憧れて過ごしてきましたから(笑)。

 でも、こうしてオンライン広告のお仕事を続けてきて、最も大切なのはご自身やサービスを必要以上に大きく見せることではなく、等身大の自分やサービスを自分らしく表現することだと確信したんです。ですから、大きな打ち上げ花火のように「バズる」ことがなくても、その方の良さやサービスの魅力を画像や動画を文章で着実に伝えていくことが何より大切だと思っています。

笑顔が素敵なスニフアンドスカリー代表の松田絵理さん
笑顔が素敵なスニフアンドスカリー代表の松田絵理さん

質問:『Go Women Go』読者には40代50代の方も多く、今のオンライン主流のビジネスとの付き合い方に悩んでいる個人事業主や経営者もいると思われます。松田さんからこの世代の依頼主へのアドバイスは何ですか?

 弊社にご相談に来られるお客様にも40〜50代の方が多いのですが、ほとんどの方が次々と登場する新しいツールやノウハウを目にして「あれこれ学ばなきゃ!」と焦っておられます。

 でも必要なことは、新しいノウハウでも学びでもなく、「これまでやってきたことを整理して、それをオンラインの世界に並べていくこと」。ですから、皆さんがこれまでにやられてきたことに対して「なぜ、それを続けているのか?」「それをすることで相手にどんな喜びや成果が出たか?」「自分のこだわりは何なのか?」と問い、回答を整理してみてください。それが出来れば、オンラインでのビジネスの取り組み方がおのずと見えて来ると思います。もし、その作業のサポートが必要なら、私にお声がけください(笑)。

座右の銘は「よそはよそ、うちはうち」

質問:松田さんが起業しようと思ったきっかけは何ですか?

 お恥ずかしい話なんですが、私のきっかけは「起業しようと立ち上がった」のではなく、1歳と3歳の子育てをしながら大手企業の営業職を続けることに疲弊困憊して、逃げるように会社員を退職したからなんです。独立したのは会社員に戻ることが怖かったからで、言うなれば消去法による選択でした。

 「独立して何をしよう」と悩んでいた時期もありますが、前職で広告運用と広報業務を行っていたので、知り合いから「うちの広告を回して」とお仕事をいただいたりして、徐々にクライアントが増えて行きました。それを続けるうちに、スモールビジネスをしている女性たちに自分のサービスの需要があることを実感したので、広告と広報に注力する覚悟を決めました。

質問:ここまで仕事を軌道に乗せるまで、最も大変だったことは何ですか?

 結婚後に夫の転勤が続き、その度に私も転職したのですが、3回目の転職後に次女を出産。その出産から2ヶ月後に、なんと夫が単身で会社の海外留学へ行ってしまったんです(涙)。

 夜泣きの激しい次女と当時2歳だった長女を抱えて、平日は夫の実家、週末は自分の実家で暮らすという居候生活を送りました。どちらの両親とも働いていたので日中は留守でしたが、日中に寝たくても子どもの世話で眠れず、居候なので気が休まらず、ストレスと睡眠不足で限界を感じていました。

 社会と接点のない不安感が日に日に大きくなって、保育園探しに奔走してパートの仕事を始めました。でも、「そこまでして働きたいの?」と親に言われた時に、「そこまでしないと働けない私って、誰にも必要とされていないのかも……」と奈落の底に突き落とされた気分になりました。

 今振り返ると、私にとってはあの頃が最も辛くて大変な時期でしたが、会社員として働きながらも限られた時間で副業しようと頑張っている方や、起業したいと思いながらも心細さを感じている方に寄り添えるのは、あの日々を経験したからだと思っています。

質問:仕事の原動力はどこから沸きますか?

 クライアントさんとお会いすることからですね。目をキラキラさせて、我を忘れるような勢いで「こんな想いで、これを作ったんです」とお話されるのを聞かせていただく時、私の胸も熱くなります。そういう皆さんの姿を目にする度に「こんなに素敵な方の素敵なサービスを、もっとたくさんの人に知ってもらいたい」と思います。ですから、「誰よりも私がこのクライアントさんのファンだ」と思う気持ちが、私の仕事の原動力です。

質問:座右の銘は?

 「よそはよそ、うちはうち」。祖母によく言われた言葉です。人と比べると良し悪しが浮き彫りになりますが、比べるべきは過去の自分と今の自分。周囲に振り回されず、自分の信念をブラさずに、歩み続けたいと思っています。

松田絵理さん プロフィール

松田絵理
スニフアンドスカリー株式会社代表

東京生まれ、横浜育ち。総合商社、インテリア会社、IT系スタートアップ企業の会社員を経て2021年に独立。2022年に法人化し、女性経営者・個人起業家に特化した広告代理店として事業を展開。売上に直結する広告と社会的信頼を高める広報活動を使い分け、短期的・中長期的なビジネスの発展に貢献することをミッションとしている。
公式サイト:https://sniff-and-scurry.co.jp
インスタグラム:instagram.com/eri.matsuda_ads.pro/?hl=ja


おすすめの記事