話題の一冊 『親子の意味』

「親の呪縛」から自由になる方法

 今月ご紹介する話題の一冊は、発売と同時に紀伊国屋書店新宿本店の人文書売上1位を獲得した書籍、『親子の意味』。副題の「親の呪縛」という言葉の強烈さに怯んでしまう人もいるかもしれませんが、毒親と言われるような親のもとで育った人たちが、意識・無意識にかかわらず、親からいかに影響を受けたか、そしてそれはどうすれば払拭できるのかについて「親子の意味を理解すること」を軸に紐解いていきます。

「私の人生、なんでうまくいかないんだろう?」
「私は、なんのために生まれてきたのだろう?」
「なぜ、私は人に愛されないんだろう?」

 こうした悩みは、「親を許せば、たちどころに消えていく」と説く著者は、国内外に2万人以上のクライアントを持つ、親子問題のトラウマケア専門コーチ。著者の親も毒親の類だったことから、自らの経験を隠すことなく糧にして、「大人になっても何となく生きづらさを感じている人」「自分自身に自信が持てず人間関係やパートナーや夫婦関係がしっくりいかない人」「親の幻影から逃れられない人」たちに向け、「自分の本当の人生を歩んでもらいたい」という思いを込めて本書を綴ったそうです。

 親から言われた言葉に傷ついていても、その怒りや悲しみをなかったことにしたり、気にしていない振りをしたり、毒親だから仕方がないと諦めてしまう……そんな方は、まず「親子の意味」を理解し、自分が抱えている問題を把握することが第一歩。「親から自由になるための問題解決法」がステップごとに展開されていくので、ゴールへ向かって個々のペースで読み進められるのも特徴です。

 夫や子どもとの関係がなぜか上手く行かない、パートナーや友人との関係がいつも長続きしない、お金のトラブルが続いてしまう、鬱やパニック障害などの症状が出る、自信があるようで実は不安に苛まれている……。一見すると、毒親とは関係ないように見える問題の数々が、実はあなたの親との関係に起因しているかも知れません。心当たりがある方は本書を開いてみてはいかがでしょうか。

『親子の意味』~「親の呪縛」から自由になる方法~ 畑中映理子著/アルソス
アルソス出版社
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