海外に移住して一番辛かったことは?
国際結婚・海外移住

【国際結婚・海外移住の質問に答えます!】
人生の選択肢を海外へ広げたいGo Women Go読者の皆さんからの様々なご質問に、国際結婚歴15年のジョーンズ千穂さんがアメリカから答えます。

読者からの質問:海外移住で辛いことは何?

 アメリカ人と国際結婚して日本に住んでいます。結婚3年目(夫婦とも30代後半)、共働きで仕事をしていて毎日楽しいのに、夫側の事情でアメリカに引っ越すことになりました。私は海外に住んだ経験がないので不安しかありません。移住で何が一番大変ですか? 

どんなところでも住めば都

 こんにちは。アメリカにお引越しですか!しかも移住……。

 海外に住んだ経験がないとのことで、毎日楽しい今の環境がガラッと変わってしまうのは不安ですよね。観光での渡米とは違いますし、学生の留学のようにホストファミリーや学校に守られた環境とも違いますもんね。

 アメリカのどこへ引越すかによっても大きく違うと思いますが、私の最初の引越し先はアーカンソー州というほとんど誰にも知られていない「ど田舎」でした。和食の食材もろくに手に入らず、竜巻もやって来るし、花粉はすごいし、夏は蒸し暑く冬は北海道並みに寒い。おまけに「アメリカ南部は人種差別がひどい」なんて噂を聞いていたので、渡米前はドキドキしていたのを思い出します。

でも田舎にも良いところがあります。それは友達の繋がりが濃くて尊いこと。田舎には日本人は数えられるくらいしかいなので(苦笑)、日本人同士で助け合って生活して行きます。だから親友や家族のような存在になっていくのだと思います。私は約10年ど田舎に住みましたが、そうやって友達と田舎の生活を楽しみ、一生の友と呼べる仲間を得ることができました。10年も住んだら「住めば都」。私だけでなく、アーカンソー州から別の州に引越した友達もみんな同じように感じているようです。

日本の家族に会いたくて

 私は渡米後の最初の数年は、なんでもかんでも日本と比べては、アメリカやアメリカ人の「ダメだし」をしていました(苦笑)。

 アメリカ人と結婚して、アメリカに住んでいるので逃げ場はなく、日常の生活の全てがゼロから慣れなければならず、アメリカのことを学ばねばという状況に加えて義両親から良い義娘と思ってもらいたいという努力からのストレスは溜まるばかり(アメリカでは家族が集まる機会が多いので)。日本で暮らす父からは「いつでも帰って来なさい」と言われていたものの(嫌なら離婚して帰って来いという意味)、離婚をしたいわけでもなくて……。どんな時でも私の味方である大好きな日本の家族に会いたいと思ってばかりいて、俗に言うホームシックにかかりました。

 そう「自分の家族に会いたい」=「ホームシック」。これが一番辛かったですね。この辛い時期が2年くらい続いたでしょうか。 

 でも、その辛いホームシックも永遠には続きませんでした。当時は永遠に続くように感じましたが、実際には続かないから大丈夫です(笑)。暮らしていれば少しずつ友達が出来て、だんだん生活環境が変わっていきますから。 

 私の場合は、友達を作って地元の美味しい食べ物や楽しい場所を教えてもらったり、あえて小旅行をしてみたり、趣味と言えるほど好きなショッピングを楽しんだりと「その時々」をエンジョイすることにフォーカスすることを続けているうちに、ホームシックを乗り越えられました。

ホームシックから抜ける方法は他にも!

 アメリカに引っ越してきてからダメ出しばかりしていた私でしたが、アメリカの良い部分を見て、その良い部分を楽しもうというマインドに切り替えたことで、暮らしに変化が出ました。

 アメリカでは日本人1人と知り合うと、芋づる式に何人かの日本人と知り合えるので、日本人の知人はすぐ増えます。日本人は味覚が似ているので、お勧めのレストランも参考になるし、どこでどんな食材が手に入るか(たとえば日本のかぼちゃはアメリカのパンプキンとは違います)などの情報も入手できます。また、現地の食材をうまく使って作る日本食レシピや、お子さんの学校の情報などを交換している方も多いので、移住したばかりの時は日本人コミュニティーを探すことからスタートするのも一案です。

 アメリカ人や日本人以外の移民の方たちと友達になるには、地域の教会に通ったり、ズンバやヨガなどのクラスに入るのが手取り早いと思います。私もズンバのクラスを通して友達がたくさん出来ました。クラスの後、みんなでメキシコ料理を食べに行ってマルガリータを飲んだりもしています(消費したカロリーはその日のうちに戻ってしまいますが、笑)。

 もうひとつ、ホームシックから抜けるコツがあります。それは「日本の家族へ会いに行く日を決める」もしくは「バケーション先と日程を決める」こと。それをすると、その日を目標にしてそれまで頑張れるという魔法がかかります(笑)。私の場合は大好きなメキシコのカンクンでのバケーションを目標にピンチを切り抜けたことが何度もあります。

 家族も親友も日本にいる環境と異なる海外生活。だからこそアメリカ現地での友達ってすごく大切で、その友達次第でアメリカ生活が楽しくなるかどうかが決まると言っても過言ではありません。これは何回かアメリカ国内での引越しを経験して学んだこと。ど田舎に住んでいても、気の合う友達(仕事をしているなら同僚とか)ができれば毎日楽しく過ごせると思います。

 もしお困りのことなどあれば、GWGの編集部か私のSNSのDMでご連絡下さい。質問者さんのアメリカでの生活が楽しくなりますように! 頑張りましょう!

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