
お久しぶりです、凛子です!
こんにちは。アメリカで結婚したアメリカ人と離婚して早3年、今はすっかり元気になった凛子です。
離婚直後から開始したこの連載ですが、大変長らく中断しておりました。「元夫とのことを思い出したくない」という気持ちが強くなった時期にフェードアウト……。離婚に至った結婚生活の問題的を書こうとすると、嫌でも元夫のことや詳細を思い出すのでそれが苦痛だったのですが、先日編集部から「最近どうされていますか?」とお声がけいただいて、久しぶりにお話したら以前とは自分の気持ちが変わっていることに気づきました。きっと時間が解決してくれたんですね。
もう結婚生活のことを思い出しても嫌な気分にはならないので、コラムを再開することにしました。今さら感があるかもしれませんが、またお付き合いいただけたら嬉しいです。
ダメ夫と結婚したのは他ならぬ私
さあ、再開です。皆さん、私の元夫トム(仮名)がどれほどダメ夫だったか覚えているでしょうか? まあ、他人の元夫のことなど当然お忘れだと思うので、過去コラムを読んで思い出してください。元夫のダメ夫ぶりのおさらいはこちらから。
ちなみに強烈なエピはまだまだありますんで、この程度で驚いていてはいけません。
さて、今は「離婚して良かったなあ」と実感する穏やかな日々を送っていますが、そう思えるのは、「知らぬ間にお金がどんどん消えていく恐怖」から脱却できたからだと思います。
そのときの恐怖によって大量に抜けた髪も、当時かなり減った体重も今は順調かつ着実に戻りつつあるので(体重は戻らなくてもいいんだけど)、あの頃の生活はまるで違う世界の話のような感覚です。だから今なら笑って話せる黒歴史になりました(威張るようなことじゃないですが)。
そもそもなぜ、そんな恐ろしいことになったのか? その理由はひとえに「そもそもお金にだらしない元夫がちゃんと働かなかったから」であり、「ただ働かない」だけではなく金遣いも荒かったため、マイナスにマイナスが上乗せされて消費だけがどんどん膨らんでいくような人と、私が結婚したからです(汗)。しかも私は自分の意思で元夫を選んだので、自業自得というか因果応報ですね(呆)。
それもこれも40歳を直前に結婚することに焦った私の器の小ささゆえのこと。結婚してすぐに元夫の金銭感覚と成人男性としての責任感のなさに気づいたものの、すでに華やかに結婚式まで挙げてしまったこともあって「きっと彼を変えてみせる、私ならそれができる」とシフトしたのは、私の中のプライドやおごりがあったからだと思います。
元夫の驚愕的な1日のスケジュール
「結婚したんだし、きっと私が彼を変えてみせる!」と決意を新たにした私でしたが、当時の元夫の基本的な1日はこんな感じでした。
10:45 am……低血圧だから早起きは無理。起き上がるとまずスマホ。スマホを見ながらゆっくりとコーヒーを入れて朝食をとり、昼までそのままの微動だにしない。
12:30 pm……たった今、朝食を食べ終えたばかりなのにランチ。スマホは離さない。
1:00 pm ……午後はパソコンを立ち上げて「仕事」だと言いながらネットサーフィンやファンタジースポーツゲームに没頭。途中で休憩だと言い、おやつを食べたり、友達と電話やチャットをしたりもする。
4:30 pm ……ブランド物のウエアに着替えてプロのアスリートのような出たちで近所をランニングし、その後、自宅で筋トレ。サプリの摂取も忘れない。
6:00 pm ……シャワーをあびて、スマホ片手にビールを飲みはじめる。これよりさらに早い時間にビールの栓が開けられることも。
7:00 pm……私の作った夕食を食べ、ビールをワインに変えて楽しみながら「今日も良い日だったなあ。今日こんなニュースがあったよ」というようなことを実に堂々と語る。
7:30 pm……食事が終わると「今日も1日頑張ったから、夜はゆっくりしよう。テレビの時間だ」というような意味不明な発言をして、Netflixのシリーズなどを観はじめる。TVでスポーツ中継を観ることもある。
9:30 pm……夜食にチーズなどを軽くつまむ。当然、そのチーズは私が買ったもの。
11:30 pm……さすがにテレビやネトフリに目が疲れて寝室に移動。それでもさらに1時間ほどiPadで本を読んだりしてから、アイマスクと耳栓をして翌朝遅い時間まで寝続ける。「眠りが浅いから、長く寝ないとダメなんだ」が口癖。
以上、元夫(成人男性、自称フリーランス業)の基本的な1日です。かなり手強い相手であることがお分かりいただけたかと思います。
こんな生活が許されていいのか?
これが健康な「成人男性」の生活でいいのでしょうか? 「いいわけないだろう」というのが私の意見ですが、相手があまりにも堂々としているので、「実はなにか隠された作戦があるのだろうか?」と考えたこともありました。が、もちろんそんなものは何もなく、ただ単に働かない男というだけでした(苦)。
以前にも書きましたが、厄介なのは元夫は地頭だけはいい(IQは高い)ので、雑学や政治論、アートや音楽系の話などはとても面白いのです。そういうことを話しているときは「なかなか興味深い人」になるので、外部の人が彼のダメ夫ぶりになかなか気づかなかったのも、そのせいもありました(外面がすごくいい)。だから、「働かないのに金遣いが荒い」ということさえ除けば、とても興味深く楽しい人だったんです(注:ヒモ男やDV男のことを説明する女性たちの常套句とまるかぶり)。
元夫は自分が「今やりたいこと」が常に最優先。家族のために自分が汗をかいて働くという「考え自体が存在しない」から、悪気もない。でもプライドは高いので、「1日中、何もやっていないこと」や「稼ぎがないのに高い買い物をすること」を正面から指摘したり、注意すると「君は僕が何の仕事をしているのがわからないのに、そんな失礼なことを言うのか。心外だ」などと言って切れるのです。切れても機嫌が悪くなるだけで私に手をあげたりすることはない人でしたが、拗ねて「さらに何もしなくなる」という態度に出るので、注意をするたびに事態は悪化するという負のスパイラルに。
注意が注意に聞こえないように注意するという限界への挑戦。高度な技量が求められる中、何度もトライしましたが、まったく上手くいかなかったことは説明不要でしょう。
稼ぐのも家事も私だけ
そういうわけで私は独身時代よりも出費が増えたので働く量を増やし、かと言って元夫が家事をしてくれるわけでもないので家事も私がやる生活になりました。
私はお金持ちになりたくて結婚したわけではなかったし、そもそも元夫はのっけから全然お金持ちそうには見えない人でしたから、「結婚すれば裕福になれる」とは考えませんでしたが、同時に「結婚したら、ものすごくお金に困るようになる」とも想像していませんでした。金銭トラブルが生まれることを楽しみに結婚する人なんて、そういないと思いますが(苦笑)。
そうは言っても、もう結婚してしまったので、「きっといつか変わってくれる、こんなに地頭が良いのだから大丈夫」と思いながら、毎日一生懸命働き、家事もやり、税金などの事務仕事もすべて自分でやってがんばって過ごしていました。元夫の「あとで返すから、とりあえず出しておいて」が当たり前になった頃には、夫婦で割り勘にすると決めた生活費のうち、私が立替えた「彼の分」は日本円で100万円を軽く超えていました。
「こんなやばい人となんですぐ離婚しないの?」という声が聞こえてきそうです。いや、当時もちゃんと聞こえていたんです、心の声が(汗)。
でも、彼から回収すべき金額が100万円くらいの頃は、まだ「きっと約束通り、次の仕事が入ったら返してくれるはず」と信じていたし、どういう訳か結婚した直後から私の仕事がぐんと増えたので(フリーランスなので新規の発注が立て続けに来たのは嬉しかった)、「いくぞー!いけるぞー!」的な勢いにのってしまったことも災いしたのだと思います。
逆境に立ち向かうドラマのヒロインにでもなったような大きな勘違い……。結婚から2年以上経って状況を把握できていたにも関わらず離婚をしなかったのは、この大きな勘違いのせいでした。
今回は久しぶりだったので以前のおさらいになってしまいましたが、次回は再び「離婚を決めたできごと」を振り返りたいと思います。お楽しみに!