タンス預金を続ける高齢の親が心配

読者からの質問:タンス預金を続ける親が心配

 高齢の親が「銀行が潰れたら困る」と言ってタンス預金をしています。家にお金を置いておくのは危険だし、ただ置いておくよりも運用した方が得だと思うのですが、そう言っても「今までやってきたことを変えたくない」と言われてしまいます。このまま好きにさせておいて良いものでしょうか? また、今年の7月から新札に切り替わりますが、銀行に預けていない現金をこのまま持っていることは問題になりますか?

もし「財産隠し」と思われたら……

タンス預金
したはる人はしたはるんやなあ。

親が生活費に年金からお金を引き出して使う。
それって、銀行のATMで引き出したりしたらええんやろけど。

銀行のATMが近くにない。
そのうちキャッシュカードの暗証番号を忘れる。

なんてことがあったりすると、
1回に多めに下ろしたりする。

そのうち、やっぱり手元に置いておいた方が安心、となって
銀行から引き出して、家に置いておくようになる。

銀行の金利も0に等しいくらいの低金利やし、
増えへんのやったら、家においても……
となるんやろな。

泥棒、火事、そんなんで取られたり、消失したら
お手上げや。

それに、相続の時にタンス預金がかなりある、ってなると
それはもう、財産隠しと思われてしまう。

100万円以上あると、タンス預金(タンスに隠して相続税逃れをしている)をしていると疑いをかけられて、
預貯金10年分、遡って調査される。

もし財産隠しと思われたら、
「無申告加算税」「過小申告加算税」「延滞税」「重加算税」など
さまざまなペナルティを受けることになるよ。

銀行や保険会社が潰れたとしても

あなたの親御さんは、銀行が潰れた時のことを危ぶんでいはるんやね。

銀行が潰れても、1000万円までやったらペイオフで守られてる。

だから1000万円ごとに金融機関を変えて預けると
銀行が破綻しても資産がなくなることはない。

そのことは理解してはるんやろか?

ただ、これは親御さんの資産の額いかんでは契約する金融機関を増やすことになる。

親が亡くなった時に、たくさんの金融機関と相続手続きをするのは大変や。

80歳を過ぎたら1つか2つに絞りたいとこやね。

保険を使うという手もある。
保険にすると、「500万円 × 法定相続人」は非課税になるねん。

お父さんが亡くなった時、
お母さんとあなた、それにお兄さんが相続人だとすると
500万円×3人で1500万円の資産が非課税となる。

そして保険会社はたとえ破綻しても、預かり資産の9割は保全される。

保険会社の格付け(保険会社の支払い能力がどれくらい信用に値するかを第三者が評価してランク付けしたもの)がどれくらいか、
財務が安定しているか調べてから契約する、っていうのはどうかな?

親のお金は、親のお金

親の資産の運用についての私の意見は
“親の金は親の金”。

親のお金の運用まで心配することない。

自分のお金の運用だけ考えなはれ、や。

親のお金の運用するなら
親に承諾を取って代理人になるか、

親の資産を減らして自分の運用ができるように
毎年、贈与税のかからない限度額110万円の贈与を受けて
親の財産から自分の資産に緩やかにシフトする。

その上で自分の資産の運用にしっかり取り組む
という方がええ気がするよ。

でも、それ
「お金、私らにちょーだい」って言ってるのと同じやからな。

その辺も、気を遣うところやね。

【なかまつ先生にお金の悩みを相談してみませんか?】
お金の話はなかなか人には相談しにくいもの……。でも、老後の蓄えや貯蓄額など、お金の不安を抱えている人は多いはず。そんな「あなたのお金にかかわる悩み」を小百合先生に相談したい方は、編集部へ質問をご送付ください。質問は匿名でもお受けします。選ばれた質問は誌面にて先生にご回答いただきます。

質問の送り先はこちら。https://www.gowomengo.press/contact

お金のお作法トキメキ投資教室


おすすめの記事