アメリカではXマスに、ケンタッキー・フライドチキンを食べるのか?

街が静まり返る、アメリカのクリスマス

 みなさん、こんにちは~! あと数日でクリスマスですね。クリスマスはコロナ禍でデビちゃん多忙につき、お家にひとりぼっちの予定のジョーンズ千穂です(笑)。

 アメリカの2大ホリデー(サンクスギビング・デー&クリスマス)には、お家にひとりでいるというとディナーに来るようにとお声を掛けて頂けるので(特にクリスチャンの方のお宅から。他人に親切な方々が多いので)、今年もたぶんご近所さんのお家にいると思いますので、ご心配なく(笑)。

 日本だと、クリスマスにひとりでお家にいるならば、ショッピングでもしてレストランで美味しいものでも食べようかな……なんて思うところですが、アメリカではそうはいきません。アメリカのクリスマスは家族が集まって団らんする日。日本の元旦のように、その日は全国チェーンのレストランや大型店、スーパーマーケットですら軒並み閉まるので、おひとり様にはちょっと辛く寂しい日なのです。

クリスマスにケンタッキー・フライドチキンは食べない

 日本では「クリスマスはケンタッキー・フライドチキンでお祝い!」なんてお宅も多いようですが、アメリカではクリスマスにケンタッキー・フライドチキンは食べません(笑)。そもそも、フライドチキンをクリスマスに食べるという習慣がないんです。ホリデーシーズンのメインディッシュのひとつが七面鳥の丸焼きなので、それが日本ではいつしかケンタッキー・フライドチキンに変化しちゃったんだと思いますが、広告代理店のCMがうまくいきすぎたって証拠なのかも(爆)?

 「日本人はクリスマスにケンタッキー・フライドチキンを食べるんだよ~」とアメリカで話したら、きっとビックリされて面白い会話のネタになりますよ。ちなみに、アメリカではケンタッキー・フライドチキンのことを「KFC」(ケー・エフ・シー)と呼びます。

 アメリカのクリスマス料理はサンクス・ギビングデーと同じく、七面鳥の丸焼きや大きなハム、ローストビーフやステーキなどの肉料理と、キャセロールなどの副菜やらケーキ……。こういうザ・アメリカンなオーブン料理が食卓に並びます。

クリスマス・パーティーをしてもクリスチャンとは限らない

 アメリカの南部では、12月に入るとお店で買い物した時やちょっとした会話の最後に「メリー・クリスマス!」と声を掛けることが多くあります。これは、南部にクリスチャンが多いからなのですが、言うまでもなくクリスマスはキリスト教のお祝いで、私もクリスチャンです。

 なので、クリスチャンかどうか分からない相手には「ハッピー・ホリデーズ!」と声を掛けることもあります。ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)を意識する人は、たとえば私はアジア人なので、「もしかしたら仏教徒、もしくは神道か?」と先回りして考えてくれる方もいて、たまに「ハッピー・ホリデーズ!」と声を掛けられます。そう言われたら私も、「ハッピー・ホリデーズ!」とか「Thank you!You too!/ ありがとう、あなたもね」と返します。

 実際アメリカ国内では、なんの宗教を信仰していようと、クリスマスをひとつの「イベント」として捉え、ツリーを出したり飾りつけ、クリスマス・パーティーなどをする方も結構多いです。クリスマス・パーティーを開催するからといって、クリスチャンとは限らないのも事実。クリスマス関係は一切何もしないという敬虔な信仰者もいます。

クリスマスの挨拶、知らないとちょっと恥ずかしいかも

 12月には、クリスマスの他にもユダヤ教が祝うハヌカや、イスラム教のイード・アル=アドハー(ヒジュラ暦)、アフリカ系アメリカンはクワンザ等、いろいろな祝日(ホリデー)があります。

 だからこそ使えるのが、「ハッピー・ホリデーズ!」という挨拶。もし相手から「メリー・クリスマス!」と言われたら、相手を尊重して「メリー・クリスマス!」と返すのがいいと思います。

 なかには「クリスマスはキリスト教の慣習だから、他宗教に配慮して12月にメリー・クリスマスと言うのはやめるべきだ」と言う人もいます。でも、それを言ってしまうと、ユダヤ教は「ハッピー・ハヌカ!」と言えないとか、それぞれの宗教で出来ていたことが出来なくなってしまいますよね。信仰の自由が守られることは、この人種のるつぼであるアメリカでは大事なことだと思います。

 ただ、これは南部でのお話で、アメリカでもニューヨークやワシントンなどリベラル色の強い州では、知らない人に「メリー・クリスマス!」というとポリコレ的な配慮がない人だと嫌な顔をされたり、意見されたりすることもあるそうなので、ご自分がどこにいるのかを意識して人と接する必要がありそうです。

 クリスマスは、クリスチャンにとっては嬉しいホリデーです。「嬉しい気持ちを分かち合いたい」とか「喜びのお裾分け」という、相手からの純粋な思いやりの気持ちを無駄にしたくないもの。幸せな人には他の人を幸せにするパワーもあり、その反対にネガティブな言葉や感情からは相手をネガティブにさせてしまうパワーもあると思うのです。こんなご時世だからこそ、優しい気持ちで人に接したいし、そういう人になりたいなと思います。

 それでは皆さま、素敵なクリスマスの時間をお過ごしください! メリー・クリスマス!

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