新しく何かを学びたい!「大人女子のための、学び方のコツ」(後編)

「素直」であることが、学び上手になる秘訣

 2021年3月20日に発売された『地頭が劇的に良くなるスタンフォード式超ノート術』。前編に引き続き同書の著者、柏野尊徳(かしの たかのり)さんに、「学び直しをしたい大人女子」のための学び方のヒントを伺います。

 インタビューの中で、柏野さんは、「学び上手な人は、素直である」と説明してくださいました。もしかしたら、この「素直」ということが、Go Women, Go! 世代の女性にとっては、最大の学びのヒントになるかもしれません。

 「素直な人」は、なぜ学び上手なのか。今からどんなトレーニングをすると脳を上手に鍛えていけるのか。柏野さんに、いくつになっても「学べる私」の作り方を教えていただきましょう!

自分とは違うモノの捉え方があることを知る大切さ

編集部:世の中には、「学び上手な人」と「学び下手」な人がいるような気がします。例えば、どんな経験も学びに変換できる人もいれば、何をどれだけ学んでも全くそれを活かせない人もいます。その違いは、どこにあるのでしょう?

 とてもシンプルな回答になりますが、学び上手な人というのは、総じて「素直な人」だと思います。「自分と違うモノの捉え方も世の中にはある」と気づけることは、とても重要です。素直な人というのは、自分が知らないことにもオープンで、「へー、そうなんだ!」というようなポジティブな姿勢で、知らないことを受け止められると思います。

 また、学び上手な人は、学べば学ぶほど、「今の自分には足りないこと」が分かる人でもあります。すべて「理解している」、「知っているつもり」は、もったいないこと。この世には探求できる学びの機会は無限にありますから、それを楽しむほうが絶対に人生が楽しくなりますよ。

女性は本当に左脳が弱いのか?

編集部:「女性は右脳的で、男性は左脳的」とか、「女性は左脳で物ごとをとらえるのが苦手な生き物だ」などという人がいますが、これは本当なのですか?

 たしかに、統計的に調査をした結果、平均値をとったら「そういう傾向がある」という結論に至ることは事実かもしれません。でも私自身は、そこはあまり決めつけない方がよいと思っています。なぜなら、この「平均値」の取り扱いは統計学上も気を付ける必要があるからです。

 分かりやすくするために、極端な例をあげましょう。例えば目の前のテーブルに5人の人が座っていたとします。彼らはごく一般的な仕事をしており、平均資産も大差がなかったとします。そこへ突然、ビル・ゲイツとジェフ・ベソスがやって来たら、平均資産はどのようになるでしょう? この億万長者二人が加わったことにより、平均資産がありえない額に跳ね上がってしまうことは明らかです。

 しかし実際は、この5人の資産には何も変化はありません。二人の億万長者によって上がった平均資産は、あくまで割り算で出た平均であって、5人が突然にして億万長者になるわけではありませんよね? それと同じです。つまり、「傾向として女性はこうだ、男性はこうだ」というものがあっても、その平均値を元に「自分自身がその傾向に当てはまる」と思う必要はないんです。その差は男女差なのではなく、実は個人差なのです。女性の中でも左脳優位な人はいるし、男性でも右脳優位な人もいることを忘れてはいけません。

編集部:よく言われている定説に、振り回される必要はないということですね?

 その通りです。そこに振り回されてしまうと、「私は女性だから出来ない」、「左脳的なことは避けた方が無難」ということが前提になってしまい、挑戦すれば可能かもしれないことに対しても、挑戦しない方向に自分を追い込む可能性も出てきます。

 また、男女差のことで言うと、社会の構造上「男性はこうだ」、「女性はこうだ」というような、刷りこみ的な常識が存在することも忘れてはいけません。こうした常識はときに、個人の行動を制限する原因にもなります。なぜなら人は無意識のうちに、期待されている常識に合わせようとすることがあるからです。

 ですから、世の中で言われている「通説的なこと」に関しては、自分が必ずしも当てはまらないことを前提にして取り組んだほうが、学びに対しては柔軟な態度でいられるのではと思います。

簡単に出来る!右脳&左脳のトレーニング

編集部:本の中にもたくさんの学びのヒントが書かれていましたが、右脳と左脳を鍛える簡単なトレーニングを教えていただけませんか?

 では、右脳と左脳の特性を活かして、両方に働きかけられるトレーニングを紹介しましょう。朝起きた時でもいいですし、夜寝るまでも良いので、「その日(前の日)にあったこと」を右脳、左脳の特性を活かしてノートに整理しましょう。

 まず簡単に分けると、右脳は感情、左脳は理性を大事にします。実際はもっと複雑なのですが、右脳が司るのは共感力や直観、感覚といったもの。それに対し、左脳は検証、分析、ロジックなどを導き出すのに使われると思ってください。

 その日(あるいは前の日)に起こったことを思い出し、まずはその時の気持ちを書き出します。内面にフォーカスし、その時の気分や気持ちを発散させる意味で思いを書き出しましょう。

 次に、その気持ちについて分析をしていきます。それぞれ自分が書き出したことに、3つずつ「なぜ、そう思ったか」の理由を書いていきます。これは発散した思いに対し、整理を行うということです。

 とても簡単なのですが、このノートを習慣化すると、自分自身のことにも詳しくなり、外で起こったことに対しても詳しくなることが出来ます。必要なのは一冊のノートとペン1本だけ。無理なく生活にも取り入れられるはずなので、ぜひ日常のルーティンに入れてみてください。

編集部:柏野さん、どうもありがとうございました! 今回、簡単なトレーニングを紹介しましたが、本にはもっとさまざまなワークが紹介されていますので、参考になさってみてください。

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柏野尊徳さんのプロフィール

慶應大学総合政策学部へ入学、1年目に学内学会で優秀論文賞を受賞。さらに見識を磨くため、スタンフォード留学でデザイン思考を学ぶ。帰国後に飛び級し、授業料全額免除の特待生として慶應修士課程へ進学・修了。現在ケンブリッジ大学でイノベーション・エコシステムを研究、博士号取得予定。在学中に設立した「アイリーニ・マネジメント・スクール」は、マイクロソフトやパナソニックなどの組織変革を支援し、世界40カ国発行『Startup Guide』で日本を代表する教育機関に認定。スタンフォード講師との共同講座、開札教材ダウンロード16万部、開催セミナー累計参加5,000名。3月20日に発売された『地頭が劇的に良くなるスタンフォード式超ノート術』が大きな話題に。

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