子育て中は自分の時間が持てないの?!

就業時間後からが日々の一大仕事に

 私は会社勤務、夫は英語教師という共働きの我が家に太郎くんが加わって以来、平日の子育て担当は朝が夫、夕方は私と決めました。当時、太郎くんは5歳。乳幼児のようには手がかからないとは言え、まだまだお世話が必要な年齢でした。

 太郎くんを迎え入れるまでは毎日、自分のペースで過ごしていた私は、終業時間が近づくと保育園のお迎えのことで頭がいっぱいになり、時計とにらめっこをするようになりました。毎日、時間までに仕事を片付け、急いで帰路につくものの、渋滞にはまればまた時計とにらめっこ。ようやく保育園に到着し、太郎くんを連れて園舎を出て家へ直行、とはいかず、園舎を出ると必ず太郎くんは園庭の遊具で楽しそうに遊び始める……。

 私としては、一刻も早く帰宅して夕食、お風呂、寝かしつけをしたいので、はじめのうちは毎日「帰るよー、早く、早く!」と急かして家に連れ帰り、夕食を作って食べさせ、お風呂の支度をして入浴を済ませると、裸で家中を走り回る太郎くんと戦いながらパジャマを着せて、太郎くんがテレビを観ている間に家事を片付けたら寝かしつけの時間。やっと寝てくれた時には、私もぐったりして、残った家事を片付けるのが精一杯でした。

ワンオペなんて、やっていられない!

 夫は仕事柄、帰りが遅いので平日の夕方から夜にかけては、いわゆる私の「ワンオペ」。週末には平日にできなかった家事をしたり、家族で出かけたりと、子どもがいない生活をしていた頃に比べ、自分の時間がぐっと減りました。

 白状すると、太郎くんを迎えた頃は、私は自分の状況がこのようになるとは想像もしておらず、日々このようなスケジュールで終業後に子育てを続けるうちに私自身に元気がなくなっていきました。

 これでは母としても、一人の人間としても不健康ですから、この状況を改善できる方法がないかと育児関連の本やインターネットで記事を探しました。「ひとりで抱え込まないで……」とか「他の人に援助を求めてもいい」と書かれているのを読み、なるほどそうなのかと思うと同時に、太郎くんのことを一時的とはいえ他人に任せてしまっても良いと考える自分は、母親失格ではないのかと。

 自分の状況を少しでも改善できる解決策がありそうだと分かっていながら、自分の中で葛藤を繰り返し、特にこれといった対策もせずに継続して日々を過ごしていたある日、私はこの生活に耐えられなくなり、遅くに帰宅した夫に向かって、ついに爆発してしまいました。

「ワンオペなんて、やってられない!もうこんな生活は耐えられない」

 そして、「なぜ私だけが毎日太郎くんのお世話をしなければいけないの?」と不満の限りをぶちまけました。ずっと抱えていた不満のすべて吐き出した夜でした。

見方を変えれば、すべてが変わる

 その後、夫といろいろ話し合って、太郎くんの保育園へのお迎えは引き続き私が担当するけれども、私たちが帰宅する頃には夫も帰宅して育児と家事の役割を夫婦で分担することにしました。

 そして、月に1〜2度だけは夫が太郎くんのお迎えから寝かしつけまでをひとりで担当する日と決め、その時だけは私が仕事帰りに自分だけの時間を持ってリフレッシュできるようにしようと言ってくれました。これは私にとって予想外にありがたい提案でした。これにより、私の負担は格段に減ったと感じられるようになりました。

 月に1〜2度のリフレッシュ・デーを持つようになると、「日々の生活をもっと改善できる方法はあるのでは?」と考える余裕も生まれてきました。子育て関連の本やいろんな記事に目を通す時間も作れるようになりました。そんな頃、とある子育て関連の本に、「お迎えの際、子どもが園庭で遊ぶのは、昼間の様子を再現し、僕はこんなふうに遊んだんだよ、と保護者の方に見せるためなんです」と書かれていました。それを読み、私は自分がいつも焦ってイライラしてしまうことを反省し、それからは太郎くんの様子を見ながら、「こんなこともできるようになったんだ、あんなこともできるようになったんだ」と、その時間は彼の成長を感じるひと時へと変わっていきました。

 また、ある働く母親が書いていたブログに、「夜は子供と一緒に午後8時半頃に寝て、翌朝3時頃に起床し、家族が起きてくる前に家事をし、そこで自分の時間を確保している」と書かれていました。これなら私もできそうだと思い、すぐにこの生活スタイルを取り入れてみることにしました。結果、「早寝早起き」の生活は私の性格にはぴったりで、以来この生活パターンが日々のバランスを保つ源になっています。

 夫に不満をぶちまける直前までは、もう自分には子育ては無理なのかもしれないとまで自信を喪失しましたが、話し合ったり、考え方を変えて今に至っています。

 我が家の特別養子縁組体験記はまだまだ続きます。次回もお楽しみに!

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