想定外だった、アメリカ日本人社会の真実

アメリカの日本社会

 日本から移住して、一番最初に住んだのは某南部の小さな都市でした。その土地には日本企業の工場があって、日本人コミュニティもあると聞き、主人も私も、「日本人のお友達も、すぐに探せそうだね」と喜んでいました。

 しかし、そんな夢は移住後にすぐに打ち砕かれます。理由は、日本とアメリカの日本人社会は、全く違うということを、想像すらしていなかったからです。想定外だった、アメリカ日本人社会の真実。私の経験を参考にしてもらえると嬉しいです。

日本人駐在人妻たちの独特な社会

 最初にお断りしたいのですが、これは私の個人的な経験なので、こうしたことがアメリカ全土で起こるとは思いません(I hope!)。すべての人が同じ経験をしているとも思わないし、中には素敵な人たちもたくさんいます。けれど、アメリカ国内で3回引っ越し、シアトルに落ち着くまでの間は、どこも似たような問題が起こりました(シアトル自体はちょっと違うのですが、類似する部分もあります)。今回お伝えしたいのは、あくまで「傾向」です。だから、それを踏まえて読んで頂きたいと思います。

 最初に住んだ場所は、先ほど書いたように日本企業の工場がありました。そのため、駐在員たちが多く住んでいて、当然のことながら日本人妻たちもたくさんいました。ウチの主人はその企業の社員ではなかったのですが、内部に入っている技術会社からの派遣で、その工場に配属されることになったんです。その工場に関係する日本人女性の中で、アメリカ人と結婚しているのは、私と現地採用で工場の管理秘書をしていた女性スタッフのAさんの2名だけ。主人の歓迎会には複数の奥さんたちも来てくれて、すぐに彼女たちと顔見知りになることが出来ました。

 「アメリカ移住後の心細い中、私はなんてラッキーなんだろう」と思っていたのですが、心の拠り所と期待していた日本人妻コミュニティの中で、生きずらさを感じるようにすぐになってしまったんです。理由は、「旦那様会社での役職が、奥さんたちのステイタスに影響する」ということが分かったからです。

 私はいわば部外者なので、直接個人的に嫌な経験をしたわけではありません。けれど、月に2回ある奥さんたちの全体ランチ会にいくと、みんな何事もなかったかのごとくニコニコしているのに、個人的に会うと、ほとんどの人が誰かしらの文句や悪口を言い合っていることが分かったんです。その文句は「あの人、部長の奥さんだからって人を見下している」とか、「課長の妻の分際で、生意気」とか、そんな感じのことがほとんどでした。

日本人社会の「あるある」

 「なんだか不思議だぁ」と思い、つい「仲良くしたくないなら、どうしてつるむんだろう?」とアメリカ人の男性と結婚している唯一の女性Aさんに漏らしたところ、彼女からは意外な言葉が出てきました。

アメリカの日本人駐在社会って、結構みんなそんな感じよ。
例えば軍隊なんかも、なぜか日本人だけが「旦那さんのランク=自分の価値」みたいな態度になるんだよね。日本人の価値観って、しょせん「社会が決めてくれた肩書基準」になりがちってこと。しかも、ここの奥さんたちはアメリカに馴染む必要もないから、3ケ月に一回みんなでNYにある日本人の美容院にいくとか、車の運転も免許取っている部下妻を足にしまくりとか、結構すごいよ。だから、仲良くしすぎるのは気を付けたほうがいいよ。その輪から外れるのも大変だから。

 ちょっとショックでした。日本語ができるサービスしか使いたくないからNYにみんなで一緒に行くとか、断ると嫌味を言われるとか、車の運転も部下の妻を足にするとか。ちょっと「あり得ない」と思いました。けれど、彼女が言うにはこうしたことは日本人社会の「あるある」ということでした。

 幸い主人がすぐに異動になったために、私がそこで過ごしたのは1年だけでした。けれどすでに気づいた時に、その輪から抜け出せなくなっていた私は、最初の子供の妊娠中、つわりで辛い時期でもしょっちゅう「お茶会」と呼ばれる悪口井戸端会議に呼び出され、ちょっと辛い思いをしました。

 次の土地では、そこまで露骨ではなかったものの、やはり似たような日本社会の「つるみ体質」の弊害がありました。そこではその土地のドンのようになっている日本食レストランオーナーの女性がいて、すべてのその人次第になっていました。みんな彼女の悪口を言うのに、街唯一の日本食レストランという理由で、彼女の店に遊びにいくんです。そして食事が終わった後に別の店に移ると、そこで悪口が出る……。

 ある時、その日本人レストランオーナーの女性が、ネットワークビジネスを始めました。某サプリ会社の新製品で、「それを買わない人間はあり得ない」という勢いで勧めてきたんです。周囲は渋々それに従い購入を決めたのですが、私は断りました。すると、彼女の悪口を言っていた人や、サプリのことで文句を言っていた人まで私を責めるようになったんです。

 ……これが、昔Aさんが言ってた日本人社会の「あるある」なのかな?
これが私がプチ鬱になってしまう引き金となった出来事でした。

日本人社会を頼りにしないことの大切さ

 私の間違いは「アメリカ現地の日本人社会を頼ろう」とした事だったと思います。やはり同じ日本人同士、言葉のストレスもなく、日本語で話せるお友達は、誰だって欲しいと思うのです。けれど、こうした経験は私に「アメリカで生きる以上、日本人社会を頼りにしない強さが必要」という大切な気づきを与えてくれました。

 先にも書いたように、すべての日本人が私のエピソードに出てくるような経験をするとは思わないし、私には、現地で知り合った素敵な日本人女性のお友達も何人かいます。けれど、「つるむ日本人の輪」に入ろうとすると、嫌なことを受けいれなければならなかったり、悪口で花を咲かせる人がいたりすることは少なくないので、みなさんがアメリカ移住を考えるのであれば、是非日本人社会の中だけに自分の居場所を探さないで欲しいと思います。

 日本にいたら、当然日本人ばかりしかいないわけなので、お友達を選ぶ幅が違ってきます。けれど、アメリカにある日本人社会は小規模なので、その中で何かしようとしたら、そこに出来上がったルールとか、ドンの考えに従わねばならないなど、辛い思いをすることになる可能性は否めません。

 最初にお断りしたように、これはあくまで私の個人的な経験談。けれど、今まで仲良くなった多くの日本人女性が、この「あるある」には言及することが多いので、ありがちな話であることは間違いないと思います。これから移住を考えている方に、是非知って頂きたいと思い、今日はこのお話を紹介させていただきました!

 

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