テックも医者も弁護士も、生活は厳しい!

アメリカで花形職業の彼と結婚しても、幸せになれるとは限らない理由

アメリカ人の彼氏が欲しい!」というアナタ! 出会い系サイトなどを眺める時、どんな職業の男性に目が行きますか? 日本の独身女子から「誰か紹介して!」と頼まれると、必ず「理想の男性像」に出てくる職業がIT、医者、弁護士です。「シリコンバレーのITとかだと安定してそう」とか、「弁護士や医者がやっぱり憧れよね」という具合に。

 確かにテック系の仕事は花形で、がっつり稼いでいる気がするし、お医者さまや弁護士は、女性が夢見るお金持ち男性の「代名詞」だったりしますよね。

 しかし、ことアメリカに限って言うと、こうした職業についている男性との結婚が、幸せへの切符とは限らないんです。それどころか、花形職業であっても、生活が厳しいなんていうことも。それにはアメリカ社会の抱える、微妙な社会事情が関係しています。それは一体どんなことなのでしょうか?

シリコンバレーの彼と結婚したA子さんのケース

 A子さんは1年間の遠距離恋愛の末、シリコンバレーのIT企業に勤める彼と結婚をしました。年収は何と1500万円強。周囲からも「アンタ、本当にラッキーね!」と羨ましがられたと言います。ところが結婚が決まり、日本からアメリカに引っ越す際、「僕の給与では、今のコンドミニアムから引っ越すことは出来ないので、荷物はなるべく持ってこないで欲しい」と言われたそうです。

 婚約期間中に何度か遊びにいった彼が住んでいた家は、シングルの男性が一人で暮らすにはちょうどいい間取り。しかしあくまで「一人暮らし用」という感じで、A子さんが日本から持っていきたいと思っていた洋服すら、全部収納は無理という広さです。「結婚するのだから、引っ越しをするかと思っていた」とA子さんが言うと、彼は鼻で笑ってこう言ったそうです。「キミ、何も分かっていないんだね。シリコンバレー近辺では、僕の家より広い家なんて、僕の給料では借りれないんだよ!

 そうなんです!物価の異常に高いシリコンバレーからサンフランシスコあたりの「ベイエリア」と呼ばれる地域では、地価の高騰が激しくて、猫の額ほどの家でも、平気で家賃が日本円で30万以上、なんてこともザラなんです。

 また、ベイエリアは全てにおいて物価が高く、税金も高いので、治安が良いところに住もうと思ったり、子供でも出来た日には、1500万円は決して高すぎる収入とは言えなくなるんです。日本で1500万円の給与をもらっている男性がいたら、超エリートでお金持ちな感じがしますよね。しかしこれがアメリカ、ベイエリアになると、下手をしたら「所得が低い」部類にしか入らないことも。生活費は1500万円収入あっても切り詰めて生活している人は、ゴロゴロいます。ビックリするような、本当の話ってやつです。

医者の学資ローン返済は、40歳になっても終わらない?

 次はお医者様とウエディングベルを鳴らした、B子さんのケースです。B子さんは、友人の紹介で知り合った、アメリカ人医師と結婚しました。お互い一目ぼれでトントン拍子に結婚。「憧れの国際結婚、しかも相手はお医者様」ということで、相当舞い上がったそうです。

 ところがアメリカに引っ越してみると、彼は忙しすぎてほとんど家に帰ってこれない状態。彼は夜中に呼び出されて病院に戻ることも多く、家にいるときはいつもクタクタで寝てばかり。慣れない新しい生活、頼る男性がいつも横にいてくれない不安でストレスを抱えていた矢先、彼から突然「ピル」を渡されてしまいました。

 「僕はまだ子供を持つ準備が出来ていないので、しばらくはピルを飲んで欲しい」と言う彼に、「アラフォーなので、1,2年以内には子供が欲しい」と伝えたところ、彼から出たのは驚愕の一言。「医者になるために学資ローンを組んで大学院まで出たのだけれど、ローン返済は40歳半ばまで多分終わらないと思う。だから、子供はそのローンが終わってからの方が有難いな」。B子さんの心は、この一言でポキンと折れてしまいました。

 そうなんです!アメリカは異常に学資ローンが高いんです。日本では一流大学を出ることが、お金持ちへの近道だったりすると思うのですが、アメリカの場合は親が金持ちで学費を負担してくれるケースは別として、高すぎる学資ローンのために、一流大学を出た途端に「借金まみれ」という人ほとんどなのです。

 アメリカでは7割の人が学資ローンを組んで大学を卒業しますが、学士課程だけでも平均額は1000万円を軽く超えます。しかもローンの金利がバカ高いんです。お医者様のように学位が学士以上必要になると、金利だけで皆さん泣きそうになっています。修士課程以上を卒業する際の学資ローンの金利は、なんと平均6.2%から7.2%。ちなみに日本の政策金融公庫が提供する教育ローンはせいぜい1.8%ちょっとですから、この金利がどれだけ暴利で異常かは、想像していただけるはずです。

はいて捨てるほどいる弁護士は、ド貧乏の場合も!

 最後は弁護士と結婚したC子さんのケースです。C子さんは、アメリカの弁護士が「こんなに貧乏だったとは!」と驚きを隠せません。

 C子さんが結婚した彼は、人道支援に人生を捧げる弱者のために戦う「国選弁護士」です。出会い系サイトで知り合って、彼が弁護士と知った際には「彼と結婚したら裕福な暮らしが出来るかも」とウキウキしていたそうですが、現実は甘かった……。

 まずB子さんのケース同様、この彼も大学を卒業するのに高い学資ローンを組んでいました。よって、結婚した今も、彼はローンの返済に追われています。

 また、彼は弁護士といっても、彼は「国選弁護士」。大手法律事務所に勤めて企業弁護士をしているような人とは異なるので、収入は中流層ギリギリに入るライン(つまり一歩間違ったら貧困層に入ってしまう)状態です。C子さんは正義感高いご主人を誇りに思っていますが「もう少し稼ぎが多かったら」と毎日思うそうです。ちなみにC子さんは日本ではバリキャリOLでしたが、日常会話程度の英会話力ではアメリカの企業に勤められるはずはなく、現在は日本円にして時給1500円で働く日本食レストランのウエイトレスをしています。

 「あんなに自分で稼いで、人に誇れるプロフェッションもあったのに」と思うと、ちょっと辛い気分になるそうです。「それでも好きで結婚したのだから」と思うようにしているそうですが、弁護士と結婚したのに、独身時代の自分よりも切り詰めた生活をしなければならない現状にはため息しか出ないそうです。

 ちなみにアメリカにおいて弁護士は、はいて捨てるほどいます。国土の広さや人口の違いはあるものの、その数なんど、日本の35倍! 数からもお察しいただけるかと思いますが、実力も収入も、個人差が激しくピンキリの職業の典型ということは、覚えておきましょう。

アメリカの社会をよく知ろう!

 国際結婚をされたい方にお伝えしたいのは、彼の年収や職業に恋しないでくださいということ。もちろん相手のプロフェッションは結婚を決める際の大きなファクターにはなるでしょうが、それ以上に知らねばならないのは、彼の職業のおかれている社会での状況だったり環境だったりすると思います。

 いずれにしてもアメリカ社会をよく知ることことは、とても大切。日本の感覚だと素通りしてしまうような職業の方が、想像以上にリッチだったり、あなたを幸せにしてくれる条件がそろっていたりすることも多々あることを、是非頭の隅に置いて頂ければと思います。

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