居心地の良い街、サレント

 こんにちは! 家族4人で世界一周旅を続けているMimiです。前回と同様、現在はコロンビア南部のサレント(Salento)という街に滞在中。旅にハプニングは付きものということで、今回は旅中に起きたハプニングをお伝えします。

 サレントに滞在し始めてあっという間に1カ月半が過ぎました。サレントは、コロンビア南部キンディオ県にある標高1,900mの小さな山間の街。コーヒー豆の生産地として有名なほか、世界一高いヤシの木のあるココラ渓谷や乗馬ツアー、コーヒーツアーなども人気で、小さな街ながら国内外からたくさんの観光客が訪れます。

1カ月半も滞在していると知り合いも増えてきて、街を歩いていると気さくに声をかけてくれるようになったのも嬉しいことのひとつ。快適な気候、自然豊かな環境、ほどよい街の大きさ、人と人との距離が近いなど、コロンビアの中で「住みたい」と思うほどとても居心地が良い街です。

自然豊かで可愛らしいサレントの街

友人たちといざコロンビアの秘境へ!

 つい先日、サレントで仲良くなった友人たちと一緒にマチン(Machín)と呼ばれる秘境まで旅行に出かけました。マチンへ向かう道中に、手付かずに残っているヤシの木の原生林があり、「有名なココラ渓谷のヤシの木とは比にならないくらい素晴らしいので、サレントに来たならぜひ見てほしい」と、在住歴15年以上になる日本人に勧められたのです。しかもマチンには休火山があるため温泉が湧いており、通常ツアーで行くと日帰りになってしまうところ、自家用車で行けば1泊してゆっくり温泉に入れるとのこと。お〜、これは楽しそう!

 ただ難点は、マチンまで悪路の未舗装を4〜5時間は運転しなければならないこと……。

 実はサレントに来る前、コロンビアの首都Bogotáでパンクのぼったくり被害に遭ったのです。渋滞の最中、タイヤに穴を開けられたことや、高額な金額を払ってしまった傷がまだ癒えておらず、またトラブルが起きたらどうしよう……と軽いトラウマになっていた私。そんな不安を抱えつつ、友人たちと我が家の車で行くこととなりました。

 出発日は、前日まで続いていた雨が嘘のように気持ちいい快晴。私たち家族、日本人の友人2名、ベルギー人とコロンビア人のカップルの計8名で出発しました。悪路とあって車内は想像以上の揺れ(笑)。中南米では、荷台に人を乗せることが許可されているため、息子たちは荷台に乗って大はしゃぎでした。

 数時間車を走らせると、楽しみにしていた原生林が見えてきました! 高く高く伸びるヤシの木が一面続く幻想的な風景は圧巻の一言。ヤシの木のように見えるこの木は、ワックスパームという名前で、海岸線に生えるヤシの木とは別の品種、標高の高い場所で育つ木なんだそう。実はワックスパームは、コロンビアの国木。ワックスパームの森の約85%はこの地域一帯にあり、約60万本が自生しています。これほどの密度が濃いワックスパームの森はコロンビア国内や世界を見ても、見ることができない貴重なものだそう。原生林が広がるTocheと呼ばれる村一帯は、かつてゲリラに占拠された場所ということもあり、環境破壊の手から離れ、良い保存状態の森が残ったと言われています。

ミミさん一家と一緒にマチンへ向かった旅の仲間たち

まさかのスタック!壮絶な泥との格闘!

 森を離れ、目指すはマチン火山(Volcan de machín)! 昔はクレーターがあったそうですが、噴火しなくなってからは大草原がこの地を覆い、湿地帯のような湖もある面白い地形になっています。そして、火山エリアに民家がぽつり1軒。こんな環境下でどうやって暮らしているのだろうと驚かされました。

 火山の帰り道、ハプニングが起こりました……。

 前日からの雨の影響でぬかるみが酷く、四駆の中でも最強と言われる我が家の車タンドラでさえ、火山に向かう途中ハンドルを取られるくらいの悪路。今まで旅してきた中でも、最悪のコンディションでした。ハンドルを取られつつも、行きはなんとか通過できたため、帰りも大丈夫だろうと思った矢先、深いぬかるみに前輪が埋まり、なんとスタックしてしまったのです! 最初はすぐに抜けられるだろうと軽い気持ちでしたが、ここから怒涛の泥との格闘が始まりました……。

 初めてのスタックに私はあたふた。「こんな道、通るべきじゃなかった」、「手前に車を置いて歩けばよかった」と後悔しましたが、後の祭り。思った以上に泥のぬかるみは酷く、最初スタック部分に石や植物を拾って埋めてみましたが、まったくビクともせず……。エンジンを吹かせば吹かすほど、タイヤが地面を掘ってしまい、ぬかるみはさらに深くなっていきました。後ろからみんなで何度となく車を押してみましたが、ぬかるみが酷すぎて足元が滑ってしまい、力が入らず……。

 困っていたところに20代くらいのローカルの人が通りかかり、手伝ってくれることに。驚かされたのは、道具がないなら作ればいいと言う発想の転換です! 颯爽とマチェテ(中南米で使われる大きなナタ)を取り出し、フェンスの丸太を切り、先端を削って即席シャベルを作ったのです。これにはビックリ! すぐさまそのシャベルで力強く掘っていきました。

 そのうちに近隣に住む住民も何人か手伝いに来てくれて、大人が合計で10人ほど、泥だらけになりながらあの手この手で脱出を試みました。が、無情にも日が暮れていき、この日は脱出を諦めることに……。タンドラをそこに置いて、街灯もない暗がりを30分ほど歩いたあと、そこからは迎えに来てくれた車に飛び乗り、宿へ向かいました。宿にある温泉がみんなを癒したことは言うまでもありません(笑)。

車の下に潜って作業をしてくれたローカルの方(上、左下)。2日がかりで脱出した後のカズさん(右下)

 翌日、私は息子たちと宿に残り、夫や友人が再度、車を置いてある場所へと向かいました。ジャッキを使って前後交互に上げていき、タイヤの浮いた部分に石を少しずつ積んでいくとう気の遠くなるような作業……。それが終わったところでトラックで牽引して、やっと抜け出すことができました! その時は歓声と拍手喝采だったそう。結局前日から22時間の時を経て、なんとか無事に脱出することができました。

 私たち家族だけでは到底難しかった今回のスタック。ローカルの方々や友人の助けがなければ、あのぬかるみから脱出することは不可能でした。怪我をするリスクもある中で、自分のためではなく、見ず知らずの外国人にここまで尽くすことは、なかなかできないこと。ですが、もしかすると厳しい自然の中で暮らしている人たちにとっては、協力し合うことは当たり前のことなのかもしれません。自分の無力さを痛感すると共に、改めて自分のこれからの行いを見つめ直す良い機会となりました。全力を尽くしてくれた方々には、本当に頭が下がる思いです。ここ最近は、パンク被害、スタックとハプニングが続きましたが、誰も怪我しなかったことは不幸中の幸い。身をもって旅の教訓を得た忘れられない出来事でした。

 私たちの旅は、まだまだ続きます。次回もリアルタイムで世界旅をお届けしていきます。お楽しみに!

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