独身だって、アメリカで家を買いたい!

家を買いたい!と決意

 こんにちは、坂東汰美です。まだまだリモートワークが続いていて、家で過ごす時間が増えるにつれ、「もっと快適に過ごしたいな」と思うようになりました。

例えば「仕事机があったらいいな」とか、「クローゼットを大改造しようかな」とか、「大型ミキサーを買ったら、いろいろ作れるな」なんて妄想しているうちに、「借家じゃなければ、いろいろ変えられるのにな」に発展し、「家を買いたい」と思うようになったんです。

自宅勤務になる前は、家は寝に帰る場所という生活スタイルだったので、快適さを意識したことはなかったのですが、この変化に自分でもビックリです……。

まず、何から始めればいいの?

 漠然と「家を買う」と言っても、何をどこから始めたらよいのかわかりません。そこで、まわりの友人にいろいろ聞いてみると、どうやら、まずは家の購入資金の融資をうける銀行などの金融機関から、Pre-Approvalと呼ばれる事前承認を受けることが必要だとわかりました。

うーん、クレジットカードの申請でもすぐに承認されなかった私には、ちょっと敷居が高い審査に聞こえますが、そんな私でも大丈夫なのでしょうか……。  

ちょっと話は逸れますが、実は数年前に「家を買おうか、それとも車を買おうか」と悩んでいたとき、不動産業をしている友人から「まず車を買いなさい」と言われたことがありました。まずは、アメリカという車社会における「足」を確保したほうが、後々の生活が楽になるからというアドバイスでした。

そのアドバイス通りに車を買ったわけですが、そのローンもそろそろ終わります(祝)。「借金が限りなく少なくなれば、私もPre-Approvalされるかしら」という淡い期待がでてきたことや、米政府からのコロナ手当(Stimulus Check)をいくつかの借金返済の一部に充てることができたおかげで少しクレジット・スコアがよくなったので、家購入への思いに拍車がかかってきました。

事前承認を受けるために必要なこと

 銀行などの融資先から事前承認(Pre-Approval)を受けるためには、できる限り借金を減らしておく必要があります。車のローン、クレジットカードの請求額の返済をはじめ、携帯電話やコンピューター、家具など金額が大きい買い物をもし分割払いにしているならば、なるべく残高を少なくすることが大切です。このプロセスは、住んでいる州や地域によって異なるかもしれませんが、たいていは下記のような各種書類を融資機関に提出することから始まります。

  • 過去2カ月分の銀行明細
  • 過去2カ月分の給与明細と過去2年分の給与表
  • 事前承認(Pre-Approval)申請時の雇用の証明
  • 身分証明書
  • 過去2年分の納税書類
  • その他、所有資産の四半期分の書類

そして、これらの書類を提出すると直後にクレジット・スコアチェックが入ります。でも、融資機関からのスコア確認が入ると、自分のスコアからポイントが引かれてしまうので、片っ端からあちこちの機関へ融資依頼をしないほうが良い面もあるようです。

書類提出時に、「どのような物件を買うのか」と聞かれます。私の場合、初めての家ですし、一軒家よりもメインテナンスの手間がかからないだろうコンドミニアムを希望していると伝えました。

次の質問は「頭金を幾ら払えるか」でした。家を買う時は通常、売値の20%を頭金として支払うべきだと言われています。もし、20%の頭金が支払えない場合は貸し倒れ防止のような保険とも呼べるMortgage Insuranceの金額が、毎月のローン返済額に上乗せで組み込まれてしまいます。そうなると返済金額が高くなってしまう……。

「なんとしても頭金を工面しなくては……」と、考えるようになりました。

いろいろな援助をフル活用!

 とは言っても、私には頭金がありません(苦笑)。頭金がなければ、事前承認もおりないでしょうから、家の購入が夢のまた夢になってしまいます。現状0ドル。どうしよう……。

なんとか解決策を見出すべく、ネットリサーチを続けました。検索ワードは、「頭金なし、家購入」、「初めて家を買う人」、「低収入の人が家を買う」などなど。

すると、なんと私の住んでいる州では数々の援助があるという情報が出てきたのです。たとえば、誘致のために特定の地域に物件を購入する人への頭金の援助や、初回の物件購入者への頭金援助。期待に胸を膨らませながらページを読むと、援助には「講習を受けることが条件」と書かれています。「えーっ、授業を受けるの?」と、ドキッとしました。つまり、これって「あなた今まできちんとお金貯めなかったでしょ、駄目ですよ講座」みたいなものかしらとか、「今後も生きていくにはお金をこのように使いましょう講座」なのかなと、あまり良くないことばかりを想像しながら申し込んでみました。普段なら教室での授業らしいのですが、いまは非常時でオンライン授業、しかも5時間。こんなに長い理由もわからず、不安しかなかったです(苦笑)。

 当日を迎え、5時間もコンピューターの前にいるための準備をしてから、授業に臨みました。結果から言うと、ためになったし、とても楽しかったです。2部制で、前半は「不動産購入とは」と「エージェントをどうやって選ぶか」。後半は「モーゲージ(Mortgage) とは何か」、「どのように事前承認プロセスが行われるか」でした。

 授業の参加者は皆、初めて家を買おうという層だったので、「まずはレンタル物件での暮らしから抜け出すことを目標としましょう」というメッセージから始まりました。運よく地域の物件の価値は全く下がっておらず、資産としても成り立つので良いこともあるけれど、必ずしも物件の値段イコール家の価値ではないとのこと。つまり不動産は需要と供給のバランスということらしいです。また、エージェントを選ぶときは、どんな質問をするべきかとか、必要なら何人も面接をすべきだという説明もうけました。

 Mortgage については、不動産購入前になるべく借金を減らしてクレジット・スコアをあげておく努力をしようとか、プロセスに必要な書類を理解して準備をはじめようという話。毎月の収入から45%を引いた金額から、毎月の支払いを引いた額がMortgage の支払い金額の目安だそうです。それをもとすれば、なんとなく自身が買える家の値段がわかりますよね。また、クレジット・スコアはパーフェクトである必要はなく、20%の頭金がなくとも方法はあることもわかり、私にとっては希望がみえてきた授業でした。

 この5時間の授業のあとに授業を受けた証明書が発行されるので、それを融資機関へ提出すると前述の援助をうけることができるのです。ファースト・バイヤーにとっては、とてもいい支援ですよね。

 これを機に、それまでは絶望的に感じていた事前承認や購入の審査に通らないかもという不安が薄れ、気持ちに余裕が生まれました。今は地域の物件をちらほら見はじめています。次回は、事前承認のよい結果をご報告したいと思いつつ、しばらくの間は家購入の夢を見ていたいなと思います。

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