私はどうもみんなと違うらしい

「はーちゃんはユニークだねえ」
「マイペースな人だね」
「普通が一番だよ」
ことあるごとに、そう言われる子供時代でした。

でも、ユニークだと言われても、天然な人は自分ではわからないものです。

そんなに普通がいいなら、なぜ私の両親は、他の女の子と同じように「○○子」という名前をつけなかったのでしょうか? 「はな」なんて名前をつけられた時点で、スタートラインからハンデをもらったようなもの。

今でこそ「はな」という名前は普通にありますが、私が子供だった頃は、ほとんどの女の子は漢字で「○○子」と、「子」で終わる名前をもらっている時代でした。

修学旅行でお土産屋に行けば、「みちこ」、「ようこ」、「まさこ」と「○○子」の名前のハンカチやマグカップが勢ぞろい。でも「はな」なんて名前、見たことない。

「私は普通と違うんだ」

「普通にならなければ……」 いつの間にか、そんなことをいつも意識するようになっていきました。

海外に行けば、自分も普通になれるかも知れない

「英語にはハナ(Hannah)なんて名前の人、いくらでもいるわよ」

英語の先生にその話を聞いたとき、心の中に一筋の光が射してきたような気がしました。

海外(英語圏)に行けば、自分も普通になれるかもしれない。
普通になれれば、この疎外感や閉塞感からサヨナラできる!

英語に希望の光を見出した私は、英語の勉強を一生懸命頑張るようになりました。

中学の英語の授業で、”six”という単語の発音を練習した時、みんなが「シックス」と日本語的に発音しているところを英語っぽく発音して、クスクス笑われたことがあります。エッチな言葉に聞こえたからでしょう。

傷つきましたが、「海外で受け入れられるためには、ここでみんなに笑われてもしょうがない」と腹を括るほど、当時の私は切羽詰まっていました。 そんな学生時代を過ごした私は、念願叶って20歳で初めて渡米しました。

私は何を飲みたいのだろう?

「ハナという名前が溢れている英語圏に行けば、私も普通になれるんだ!」

そう意気込んでアメリカに到着した私。まずは普通になるための第一歩として、周囲を観察し、周囲に合わせていかねば……。

そう思って周囲を観察し始めた私でしたが、すぐに壁にぶち当たりました。

そもそもアメリカでは、周囲の反応をうかがうスキもなく、自分の意見を聞かれます。黙っていても誰かがお茶を出してくれるなんてことはありません。

たとえば友人の家に行くと、すぐに”What would you like to drink?” (何が飲みたい?)と質問を投げかけられます。

あ、みんなに合わせなければ……(焦)。

慌てて他の友人の反応を見回すと、”I’m good”, “I would like some water” など、答えはバラバラ。さあ、誰に合わせればいいんでしょう?

きょろきょろ、おどおどと挙動不審に陥っている私に、友人はニコニコと話しかけてきます。

友人:何を困ってるの? 何が飲みたいか聞いてるだけでしょ? 何がそんなに難しいの?

私:いや、皆さんはどうしているのかと思って……。

友人:(笑いながら)はぁ?みんな?なんで?自分が飲みたいものがわからないの?

私:……。

う~~~ん。

そうなってしまったのは、「みんなに合わせようとしていたから」なのですが、何だか恥ずかしくて、そうは言えませんでした。

何が飲みたいか答えを考えるだけで、なんでこんなに疲れるのか……。

結局、誰に合わせればよいかわからないので、観念して「じゃ、私も水で」と言ってみました。友人は「あ、そう」と立ち上がり、水を持ってきてくれました。

そして、さらに「氷はいる? いらない?」と聞かれました。

はぁ~……。何だか気が抜けました。

普通になろうとすることって、こんなにもエネルギーを使うことだったんだな。

しかも、エネルギーを消耗する割に、誰のメリットにもなっていないみたい……。

私がみんなに合わせて同じ飲み物を頼んでも、何も頼まなくても、誰も気を悪くしないし、それで不幸になる人はいない。勇気を出して自分の答えを言ってみたけれど、何も悪いことは起こらなかった……。

頭に隕石が落ちたような衝撃でした。

普通になるって、どういうことなの?

そもそも、普通になるって、なんなんでしょう?

よく考えてみたら、普通の人は、普通になるために努力なんてしていないんですね。自然体だからこそ、普通なんですよね。

普通になるぞ、と努力すること自体が、ナンセンスだったことに気づかされました。

その日から私は、普通になろうとすることをやめました。
普通なんて、なろうとしてなれるもんじゃないからです。

自分にできることは、自分らしくすることだけなんだ……。

回り道だったけれど、ようやくこの真実に気づくことができました。

Just be yourself.

いつのまにか、普通であるかどうかということは、どうでもよいことになっていきました。

私が住むテキサス州オースティンには、「Keep Austin Weird」というスローガンがあります。オースティンは、風変りな存在であることを誇りに思い、個性を大切にしている街です。普通に憧れていた私がそんな街に落ち着いたことに、不思議なご縁を感じています。

ランサムはなのワンポイント英語レッスン

自分らしい自己紹介のヒント:
英語で自己紹介をするときは、名前だけでなく、ちょっとひとひねり加えてみてはいかがでしょう。”I grew up in Tokyo, but I’m originally from Osaka” (東京育ちですが、生まれは大阪です)など、ゆかりの地を2つほど仕込むと、話が弾みやすくなります。土地の話題は話が盛り上がりやすく、自分のことを覚えてもらううえでも効果的です。ただし英語にもタブーはあります。年齢を聞くのはNGなので、自己紹介では年齢の話は避けましょう。

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