フェムテックを日本から世界へ

 最近、話題の「フェムテック(FemTech)」。女性(Female)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語で、女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品(製品)やサービスを指す、これからの時代を牽引していくエリアと言われています。

 そんなフェムテック業界をリードする「シルキースタイル」の山田奈央子さんと上田美央さんのお2人にお話を伺う企画、後編をお届けします(前編はこちら)。

女性の冷えとめぐりに着目した温活ショーツ

 冷え性に悩む女性が多い中、フェムテックを活用した「ヨモギ蒸し!冷えと巡りに着目した最新の温活ショーツ」を開発したシルキースタイル。これは何にこだわって作られたのでしょうか。

<山田さん>
 デザイン性と機能性の両立に、とにかくこだわりました。女性が毎日下着を身につける瞬間に気持ち良く感じるデザイン性は一番大切。それと同時に温かさを感じ、身体の巡りの良さを体感できる今までにないショーツ……。そんなショーツを作りたいという思いから、生地選びやパターンなど試行錯誤を繰り返し、こだわり続けて出来上がったのがこのショーツなんです。

 これまでは、あまり注目されてこなかったビキニラインの締め付けからの解放や、子宮周りから体を温めることができるショーツ。女性が女性目線で作った商品だけに、「多くの女性の悩みに応えてくれる」という評価をいただけたのだと思っています。

女性が自らの身体に向き合うことの大切さ

 御社が展開する下着やボディオロジー・ブランド“オンド”では「女性が自らの身体に向き合うことの大切さ」というメッセージを発信しています。忙しい女性たちは、どうやって自分の身体と向き合うとよいのでしょう?

<上田さん>
 定期的に今の自分の状況を客観的に把握できる状況を作っておくことが大切だと考えています。たとえば弊社のオンドサロンでは、周波数を使い身体のそれぞれの部分の状況をチェックしてスコア化して調整をしています。忙しかったり大変だと、つい自分の変化に気がつけなかったりするので、定期的に把握していくことで小さな変化に対応できます。漢方薬局に行って話すのも、整体に通うことでも、客観的に自分の体の状況を話す機会を持つことが大事です。

 昨年御社では、「美温活ショーツOn de miuビューティーショーツ」をクラウドファンディングでリリースしました。なんと3400%以上の目標を達成し、1000万円以上の支援が集まったそうですが、成功の秘訣は何だったと思いますか?

<山田さん>
 「こんな商品、待ってました!」と言ってもらえる商品を15年間作り続けてきましたので、今回も子宮周りから温め、ビキニラインをフリーにして巡らせるコンセプトが多くの女性に響いた結果だと思っています。潜在的なニーズがある手付かずのコンセプトだったからこそ、なるほど!と思っていただけたのではないでしょうか? 女性の心と身体を解放しよりハッピーにするというプロジェクト・コンセプトにも、多くの方が共感してくださったのだと思います。

半年に1回はショーツを買い換える「美装期限」

 御社ではショーツに賞味期限ならぬ、「美装期限」を設けられましたね? とても画期的なアイデアですが、どうしてこの期限をサービスに入れ込んだのでしょうか?

<山田さん>
 女性は家事に子育てに仕事にと毎日忙しいですから、自分のことが後回しになることも多々あります。そこで私たちは、半年に1回はショーツを買い換える「美装期限」を設定して、半年に1回 On de miu ビューティーショーツをお届けするサブスクリプション・サービスを開始することにしたんです。ショーツが届くたびに、ご自分の体形の変化や体調の変化に目を向けて客観的に考える時間を持っていただくというコンセプトなのですが、まずはそこから自分の身体と向き合っていただければな、という願いを込めました。

 ショーツそのものも、サブスクリプションというスタイルにも、女性開発者ならではの「視点」が生かされているんですね。そんな視点を今後どのように、フェムテック事業に取り入れていく予定なのでしょうか。

<上田さん>
 PMS(月経前症候群)、出産、更年期など女性特有のホルモンバランスの変化に女性自身が向き合うとともに、家族や会社、社会で理解しサポートできる環境づくりが大事だと思います。そのためには、まずは個人のウィーメンズ・ヘルスリテラシーを向上させることが大切。リテラシーを上げる教育や、指導者の育成にも力を入れていきたいと考えています。

これからの時代に必要なこと

 今後、特に力を入れていきたいプロジェクトなどはありますか?

多角的に事業はしていますが私たちの事業はすべて、「輝く女性を応援したい」、「女性を美しくするお手伝いがしたい」というキーワードでつながっています。

 特に力を入れていきたいのは、まだまだ日本では後れを取っているフェムテック分野の拡大です。もっと具体的に言うと、このインタビューの前編でもお話ししたフェムテック協会の設立を目指しているんです。情報が少ない分野だからこそ、協会を立ち上げ、その分野でのリテラシーを上げる活動ができたらと思っています。

 また、フェムテック関連商品の口コミサービスなどを行うことで、フェムテック・フェムケア用品の選択肢を提示して、自分にフィットするものを見つけられるプロジェクトにも力を入れていきたいです。

フェムテック事業を続ける情熱の源泉とは?

 最後に、お二人を支え続けている情熱の源泉や、今後作りたい社会のことなどについて、教えていただけますか?

<上田さん>
 輝いて仕事をし続ける女性が増えて、活気あふれる社会になればといいなと思っています。自分自身も仕事をすることで社会とつながり、新しい経験ができて成長を感じ、社会に貢献していける、仕事をしていることが楽しいし、楽しく仕事をしていきたい。そんな女性の輪が広がっていくことに社会的な意義を感じます。

<山田さん>
 世の中で問題視されていることを自分ごとと捉えて、まだ世にないサービスやプロダクツを開発し、それを世に発信することで、世の中の流れを少しずつでも変えていくことに喜びと意義を感じています。不可能を可能に変えるチャレンジは大切だと思うんです。その流れで、フェムテック領域における新しい職業を作り、活躍できる女性を増やしていくことにもチャレンジしたいと思います。そうすることで、男女共に本当の意味での明るく豊かな日本が作られていくと感じています。

パンツ

お二人のプロフィール:

(株)シルキースタイル代表取締役社長/下着コンシェルジュ 山田奈央子
盛岡生まれ、サウジアラビア育ち。上智大学卒業後、大手下着メーカーに入社。下着 の企画・開発・MDを行った後、国内メーカー・インポートランジェリーの販売も経験。世界初の下着コンシェルジュとして、世の中の女性にもっと下着を楽しんで欲しい想いで下着セミナーを開催し、雑誌・TV・インターネットなどでも下着のアドバイスを行う。下着コンシェルジュとして内面美の追求を行いながら、2006年に上田美央と会社を設立。下着を着た時に素肌が綺麗に見えるためのボディーケア商品やコスメ商品を扱い 、女性の内面美と外見美のトータルビューティー・コーディネートも行っている。著書に『とっておきの一着さえあればいい』(宝島社)、『下着の品格』(カナリア書房)がある。

(株)シルキースタイル代表取締役社長/温活プランナー 上田美央
上智大学卒業後、大手外資系金融機関で銀行の運用アドバイスを行った後、国内上場証券会社にて PR ・IR を担当。過酷な労働環境で、体調の不良も経験したころから、輝きながら働き続けられる女性を増やしたいという思いで、女性の美容や健康などの商品設計や企画などを行うシルキースタイルを山田奈央子と設立。自社商品ブランドOn de miuブランドの設計や運営をしながら、雑誌やテレビ向けに美容・健康商品の企画・設計・MDなどを幅広い商品を体のプロフェッショナルの観点を生かして行う。
シルキースタイル公式サイト https://www.silky-style.com/

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