やりたいことがあるなら、今やろう!「世界一周、親子旅」#07

活気に満ち、生命力溢れるワラスの市場

 こんにちは! 家族4人で世界一周旅を続けているMimiです。現在は旅の6カ国目ペルーで最初に訪れた街ワラスから移動し、クスコ周辺にある「聖なる谷」と呼ばれる美しい村々に滞在しています。今回はワラスの思い出を振り返りたいと思います。

 ワラスは、ペルー中西部アンカシュ県にある標高3,090mの街。ワラスの街からは5,000m級、6,000m級の氷河をまとったアンデスの山々を望むことができ、トレッカーにとっては聖地のような場所です。街では、独特な帽子にカラフルな民族衣装を着たインディヘナの方々が街を行き交い、インカ帝国の公用語であったケチュア語が、今なお話されています。

世界旅ワラスの写真

 その土地を知るために、私がまず行く場所は市場! もはや市場巡りは趣味のようなものですが、ワラスでは毎週木曜日に大きな市が立つと聞き、早起きして超ローカルな市場(メルカド)へ行ってきました。

 市場は現地人で埋め尽くされ、ものすごい活気。多種多様な野菜、果物、肉、魚介、穀物、薬草など新鮮な食材が所狭しと並んでいます。ペルーは、海・山・ジャングル・砂漠と変化に富んだ自然条件に囲まれているため、食材の種類がとにかく豊富。アンデス原産のじゃがいもやとうもろこし、スーパーフードのキヌアなど栄養豊富な食材が、インカ帝国、そしてペルー人を支えてきたのだと感じました。その他に特徴的だったことは、薬草がたくさん売られていること。インディヘナのおばちゃんに身体の不調を相談すると、その症状に合った薬草を選んでくれ、使い方を説明してくれるのだそう。ペルーの伝統や食文化を垣間見られる興味深い時間でした。

「今」を生きるワラスの人々

 約2週間お世話になったワラスの日本人宿で、ワラスの暮らしについて聞く機会がありました。現地の方は、西洋医療をあまり信頼していない方が多く、薬草を使って身体の不調を治したり、クイ(モルモット)を使って身体の悪い部分を見つけたりと、古来から続く自然療法で養生しているそうです。クイは食用にもされ、インカ時代からアンデス地方において貴重なタンパク源でもあったそう。

 そして、日本人とは違うなと感じたことは、ワラスの人々は「今を生きている」ということでした。一番大切とされるのは、仕事よりも家族との時間。また、保険をかけたり、貯蓄をして将来に備えるという考えはなく、家族の誰かが病気になったときは、家族や親戚内でお金を集め、みんなでサポートするそうです。対して日本は、大半の時間を仕事に費やし、将来のために保険や貯蓄で備える。家族で過ごす時間は減る一方です。しかもインターネットが発展したことで、現実の人間関係は希薄になりがち。私自身も含め、今を生きていない人が多いように感じます。家族の絆や繋がりを大切にして「今」を生きる彼らと、どちらが心豊かに過ごせるだろうと改めて考えさせられました。

アンデスの大自然を存分に堪能

 ワラスから車で北西に約4時間。ブランカ山群の中でも最大の湖、Laguna Parónへ。ブランカ山群は、ペルーで最も氷雪峰が集中する山群です。実はこの湖、標高が約4,200m! 富士山を優に超える高地の場所にあるのに、なんと湖まで車で行くことができます。高地順応さえしっかりしておけば、子どもでも行けるのがすごいところ。

世界旅ワラス2

 早朝にワラスを出て、午前中に湖に到着したため、太陽の光も良く、美しい湖を眺めることができました。家族でボートに乗り、魔法のような輝きを放つ氷河湖を間近に感じることができました。湖を楽しんだあとは、見晴らし台まで約1時間半のトレッキング。標高が高いため、少し歩いただけでも酸素の薄さを感じます。最後はゴツゴツした岩群を登り切り、見晴らし台へ。息子たちも、足場の悪い中、よく頑張りました。見晴らし台からは、氷河と万年雪が降り積もった山々やターコイズブルーの氷河湖を一望でき、息を飲むような大絶景が広がっていました。大自然が生み出した景色はなんて美しいのだろう。観光客が少なかったため、見晴らし台はほぼ貸し切り。目の前に映る景色が奇跡のように素晴らしく、最高のひと時。大絶景を1〜2時間ほどゆっくり堪能でき、家族みんなで同じ場所と時間を共有できたことも幸せでした。下山の時に、数十分だけ山の頂きを見せてくれたPiramide。その美しい頂きを拝めたことも良い思い出となりました。

世界旅ワラス_7_3

 ペルーは、赤道直下にある熱帯の国ですが、ワラス周辺のトレッキングでは、氷河と雪が積もった山々を間近に望むことができます。実は、ワラス周辺は世界最大規模の熱帯氷河が集まっている貴重な場所なんだそう。まだまだ観光客も少なく、知られざる大絶景や穴場スポットがたくさんあります。車でアクセスできる場所も多いため、子どもや登山初心者からベテランの方まで幅広く楽しむことができるのがワラス。大自然や山が好きな方にぜひ行ってほしい、ペルーでおすすめの場所です。トレッキングのベストシーズンは、乾季の5月から9月。ぜひ次の旅の候補地に入れてみて下さい。

 私たちの旅は、まだまだ続きます。次回も引き続きペルー旅の様子をお届けしていきます。お楽しみに!

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