自分なりの価値観をもって

新年を迎えて考えてみる

 明けましておめでとうございます。板東汰美です。2020年はとても学びや気づきが多い1年でしたので、今年はそれを最大限に生かしていこうと思います。

 新年という節目を迎えて、今年、そして数年後の自分はどうしているんだろうと考えています。

 アメリカ生活にすっかり慣れて、仕事が休みの日には、街のあちこちの珈琲屋さんを開拓したり、買い物の合間にレストランで外食したりと毎日を楽しんでいますが、こうして独身でいるからには、老後もひとりかもしれません。

 自分の老後の蓄えはもちろんのこと、非常時に必要となるお金ってどのくらい貯めるべきなのでしょうか。今のままで自分は大丈夫なのだろうか、と考えることが増えてきたのですが、みなさんも不安になったりしますか?

もっとしっかり管理しておけばよかった

 異国の地で暮らすのに困らないためには、日々の生活の中でどのようにお金を管理して運用していくかという計画が、とても重要です。私は以前、アメリカ人の友人から、「まずは毎月の給料の3か月分は非常時の流動資産として貯めておくこと。余裕があれば半年分を用意しておくべき」と言われたことがあります。

 にもかかわらず、若かりし頃は、アメリカで一般的な月2回に分けて支払われる給料制だったため、家賃や光熱費など固定費を払う分以外は、「来週またお金が入ってくるし」などど言っては、全てを使い切っていました。貯金用に別口座もありましたが、それはほとんど使っていませんでした。今思うと、「毎月の給料からも少しずつ貯めておくべきだったなあ」と後悔しています。私は、こういうことを真剣に考え始めたのが、とても遅かったのです。

少ない資産を少しでも増やすには

 人生は自分のものですから、資産を増やしていこうと計画するとき、人と比べるとか、給料の額とかは、あまり関係ないと思います。

 私があまり真剣に考えなかった頃は、お金を貯められる要素ばたくさんあったのに、「お金がない」、「お金が足りない」といつも思っていました。それなのに、1杯2ドルの珈琲を1日に2〜3回も買う毎日でした。つまり、ひと月に50ドル〜150ドルも無駄遣いができていたんです。それに加えて、お菓子だの、外食だのと、生きていく上で必須ではないかもしれないことに惰性で遣っていたお金は、ひと月に数百ドルに……。

 私の経験からみて、ここで重要になってくるのは、自分の価値観をどこにおくかでゴール設定がしやすくなることです。毎日の珈琲は絶対買いたい!ということであれば、その金額を毎月の予算に組み込んで、5年後、10年度生活をどうしていたいかと考えるようにすればいいのです。

 私は家を買いたいので、まずはクレジットカードなどの借金を減らし、貯蓄を増やしていこうと決めました。何においても無駄を省き、珈琲も人との待ち合わせ以外は家で楽しむようシフトし、スーパーマーケットに行く回数を減らし、自炊の機会を増やしました。昨年は外出規制が多かったため、思いのほか無駄遣いを省くことができてとても嬉しかったです。

 周囲の友人たちをみると、タンス預金だったり、株や保険などの金融商品を購入するなど、どのようにお金を管理するかは人によって千差万別です。ですから自身の価値観を再考することを定期的に続けることが大切だと思います。それが思いがけない気づきや断捨離につながるし、アンテナを張り続けることでチャンスが到来したときに動くこともできます。

自分の市場価値とは?

 過去20年間の間、私はアメリカで何度も転職をしてきました。転職をしてきたのは、そのたびにお給料があがることが一番の理由でした。

 全財産ともいえるほどつぎ込んで私が呑気に遊び惚けていた頃、遊び仲間たちはコツコツと資産を増やしていたのですが、私はそれに気づきませんでした。彼らは生活の基盤となる分、資産としてとっておきたい分、そして遊び代とそれぞれ金額を分けていたようです。たとえば、私がひとつの仕事をしながら不平不満をぶちまけつつ遊んでいたのに、彼らは副業もしながら、着実に資産を増やしていました。

 その中のひとりは、ファッションが大好きで大好きで、でも「身の丈を超えるお金の遣い方はしない」と宣言していました。それが、会うたびに高級品をまとっていったのです。聞けば、副業をしながら週に80時間以上も働いていたとか。

 別の友人は当時3つの仕事を掛け持ちながら、私たちと夜遅くまで遊びに出かけていました。今思えば、彼らにはゴールがあって、それに近づくためにしていたことでした。過労死すると言われればそれまでですが、本人たちは納得していたし、外から見る限りでは、毎日とても充実して楽しんでいるようにみえました。当時をを振り返ると甘ったれていたのは私だけだったと今さらながら反省しています。

 そういえば、飲みの席でしたが、当時、友人がとてもいい忠告をしてくれていました。

「今、勤めている会社に、自分がどのように貢献しているかを常に考えるんだよ。その答えが出なくなったときが、その会社を辞める時だ」

 従業員として雇われている私のような人は、クビにでもならない限り、あまり考えることはないかもしれませんが、私はこの友人の言葉を心にとどめています。

 自分のゴールを念頭において、いつ、どこへ向かって、どのように動くのかを常に考えること。今のような非常時でも、それに左右されない強さを持てるように準備して、毎日の生活を楽しんでいきたいと思っています。これが私の新年の抱負かな(笑)。

 私の場合はもう若くはないので(笑)、白馬の王子様ならぬ、白馬のご隠居様を待つことになるのかもしれないけれど、今後の人生設計をしっかりと頑張っていこうと思ったのでした。

<これまでのお話はこちらから>

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