専門サイトの普及で広がる空き家物件の売買

 日本の不動産市場は、都会の一等地や人気エリアの物件と地方や過疎地の物件の価格差が大きく、中古物件ならば築年数や状態でさらに価格に差がつきます。最近は少子高齢化で空き家が増えたことや、欧米とは異なり日本では中古物件の人気が低いことなどから、「もう使われていない中古物件を売却したい」という売り手が増えているため、驚くほど安い中古物件もあります。

 これまでは、不動産業者が扱わないような激安物件があっても、「そういう物件が存在すること」をなかなか知ることができませんでしたが、最近は専門サイトの普及によって、かなり事情が変わってきました。

 2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が制定された後、国土交通省が全国の地方自治体からの情報がオンラインで見られる全国版「空き家・空き地バンクを開始。現在では527自治体が参加し、5,591件の物件が掲載されています(売り物件4599件、貸物件992件。2021年1月27日現在)。

 行政が支援する「空き家バンク」だけでなく、不動産業者や企業、団体などによる様々な中古物件売買のオンライン・サイトも増えています。なかには、田舎暮しに特化した不動産サイト、田舎ねっと日本など「田舎の物件を紹介するだけでなく、田舎の暮しを応援する」と謳っているサイトもあります。

100万円以下の一戸建てや、マイナス価格物件も!

 そんな中でも最近、注目されているのが、激安中古物件に特化した「家いちば」というサイト。とにかく最初に驚くのが、掲載されている物件の価格の安さ。戸建てでも100万円以下という驚愕のラインナップです。

 安さの理由のひとつは、このサイトでは不動産業者を通さず、売り手と買い手が直接交渉をして同意した後で、契約のために専門家が登場するという、従来の不動産売買とは異なる方法をとっているから。つまり、半分はセルフサービスで、後半だけ専門家にサポートしてもらうという組み合わせをすることによって、不動産業者に丸投げする場合より売買に関連する手数料が下がるだけでなく、従来の物件の相場には囚われず売り手が自由に価格を決められるからだそう。

 なかには「価格0円」、つまり無料の物件や、「マイナス価格物件」と呼ばれる「お金をあげるから買ってください」という、ちょっと信じがたいような物件も掲載されています。もちろん「マイナス価格」の物件は訳ありも多く、入居前に修理が必要だったり、家の中に残された家財道具を買い手が処分しなければならない場合もあったり、物件は無料でも購入に伴う法的な契約費用や税金などは掛かります。でも、条件を冷静に見た上で価値を見出せるならば、こういうオファーは今どんな状況にある人でも「家を所有できる」という夢への現実的な足掛かりにはなりそうです。

コロナ禍で人生を考え直す人たちの出発点に

 せっかく中古の戸建てを購入するなら「古民家に住んで、カフェやゲストハウスにしたい」というような夢がある人もいるかもしれません。でも京都や鎌倉の古民家は空き家も少なく、古くてもお値段はお高め。ただ、ロケーションにこだわらなければ、激安物件サイトにはたとえば、こんな70万円の古民家が売られていたりするので、ものは考え方かも?


2021年1月28日現在の情報です。詳しい情報は写真をクリック!

 「一戸建ては手入れが面倒だから中古マンションがいい」という方には、参考までにこんな物件も。海が見えて即入居可能、こんなゴージャスな物件が驚愕の100万円(驚)。


2021年1月28日現在の情報です。詳しい情報は写真をクリック!

中古物件や空き家物件は、入居前に修理が必要だったり、傷んでいたりと新築物件の購入と同じようにはいきません。でも、コロナ禍でこれからの人生を考え直した人や、経済的な事情から暮らしを一新したい人には、空き家物件の購入はライフシフトのきっかけになるかも知れません。今は「不動産の購入なんて現実的ではない」という人も、この物件リストを見ながら、「もしここに住んだら、どんな人生が開けるかな」と、いろいろと想像して楽しめそうです。


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