やりたいことがあるなら、今やろう!「世界一周、親子旅」#10

アマゾン川流域に自生するアヤワスカとは?

 こんにちは! 家族4人で世界一周旅を続けているMimiです。コロンビア入国時に強制送還となり、ペルーの旅を再開させた私たち家族。さて今回は、ペルー伝統儀式の体験談をお伝えしたいと思います。

 皆さんは、アヤワスカ(Ayahuasca)という言葉をご存知ですか? 聞いたことがないという方が大半かと思うので、まずはアヤワスカ儀式(アヤワスカ・セレモニー)について簡単に説明したいと思います。

 アヤワスカとは、南米アマゾン川流域に自生するツル状の植物の根をチャクルナという葉と一緒に煮出したエキスで、儀式でそれを飲用します。アヤワスカには、幻覚・嘔吐作用のあるDMTと呼ばれる成分が含まれているため、日本では使用が禁止されていますが、ペルーでは国家文化遺産に指定されている神聖な飲み物で、昔から伝統儀式や治療などに用いられてきました。

 儀式は通常、夜から深夜にかけて行われ、シャーマンが終始付き添います。シャーマンと聞くと、どこか遠い国のことと思われがちですが、かつて日本にも、巫(かんなぎ)と呼ばれる女性のシャーマンが存在し、自らの身体に神を宿す儀式を行い、世俗の人々に神意を伝えていたと言われています。アヤワスカは、元々アマゾン川流域の先住民が行う儀式で使われていましたが、近年欧米人やヒッピーの間で人気となり、世界各国でアヤワスカ儀式が受けられるようになりました。

スピリチュアルな世界には興味がなかったけれど

 私が最初にアヤワスカという言葉を耳にしたのは、メキシコのジャングルの中にあったエコビレッジに滞在しているときでした。南米で薬草の勉強をしていたというベトナム人男性から、「アヤワスカを飲むと、宇宙と繋がることができ、サードアイが開く」と聞かされたのです。夫はその話に興味津々でしたが、スピリチュアルな世界に興味がなかった私は、得体の知れないものに対して恐怖感を感じたのを覚えています。

 その後、他の旅人や現地在住の日本人の方からもアヤワスカ儀式の体験談を聞くことがあり、人生観が変わるほどの体験だったと話していた方に何人も出会いました。アヤワスカには不思議な力がある……。次第にそれに対する恐怖感が薄れていき、「内なる自分を知りたい、セレモニーを受けてみたい」と、気持ちが変化していきました。

素晴らしいシャーマンを紹介してもらえることに

 そのチャンスがやってきたのが、タンボパタ川が流れるプエルト・マルドナド(Puerto Maldonado)というペルー南東部の町に行ったときのこと。

 タンボパタ川が流れるプエルト・マルドナド(Puerto Maldonado)

 到着初日にホテルを探していて、たまたま入ったホテルのスタッフの方が、なんと以前日本に住んだことがある方でした。意気投合して話をしたところ、アヤワスカの話題になり、「素晴らしいシャーマンを知っているから紹介できるよ」と言われたのです。  

 実は、ピサックという町で私たち夫婦はアヤワスカ儀式を受けたことがあるのですが、宇宙と繋がる感覚はなく、満足いくものではありませんでした。機会があればまた受けたいと思っていた矢先の出来事だったので、このスタッフの話に驚きました。「こんなタイミングはなかなかない」と思い、もう一度受けてみることにしたのです。

アヤワスカ儀式を体験!

 ついに、アヤワスカ儀式を受ける日がやってきました。場所はホテルスタッフが休憩所として使用している部屋で、参加者は私の他にペルー人男性が2人でした。

 まず、私たちを取り囲むようにシャーマンがお香を焚き、葉タバコを身体に吹き付け身を清めてくれました。その後、ひとりずつ順番にアヤワスカを飲んでいきます。ショットグラスに入れられた真っ黒いドロドロとした液体……。ピサックで飲んだアヤワスカとは、まったく異なる色をしていました。私は、シャーマンとアヤワスカに敬意と感謝の気持ちを伝えて、それを一気に飲み干しました。

 シャーマンから休むように言われ、目をつむって横になりました。何も変化がありませんでしたが、1時間くらい経過したころでしょうか。突然、下から上に湧き上がるようなエネルギーを感じ、嘔吐しました。それによりスイッチが入ったのか、私の体にアヤワスカによる変化が出始めました。まず感じたのは、自分の身体が地面と一体化しているような感覚。他には白やゴールド、オーロラのような様々な光が見えたり、時には宇宙のような場所を無重力で浮遊していたりと、息をするのも忘れてしまうくらいの感覚でした。

アヤワスカが教えてくれた2つのこと

 しばらくして辺り一面が真っ暗になり、見えてきたのは、亡くなった父と母を暗がりで探す自分自身でした。母は私が20歳の時に亡くなったので、結婚したことも息子たちの成長も見せることもできませんでした。その両親を探す自分の姿を見て、育児や日頃の悩みを話したくても話せない寂しさや悲しさに、蓋をして生きていたのだと感じました。そして、親から受ける無償の愛は、人間の根幹を支えるかけがえのないものであり、「私が心から求めていたのは、親からの愛情だったんだ」と気が付いたのです。

 もちろん、亡くなった父と母に会うことは叶いませんが、儀式を通して改めて愛の大切さに気付くことができ、まずは自分自身を愛して、周りにいてくれる夫や息子たちに愛や感謝の気持ちを素直に伝えていこうと思うことができました。また、世界旅を終えたら、漠然と「場づくりをしたい」と考えていましたが、儀式を受けたことで、「家族の枠を超えて、友人も新しく出会った人たちも大きな家族になれるような心の拠り所となる場所を作りたい」という思いが芽生え、将来のビジョンがより明確なものとなりました。

 もうひとつ、アヤワスカによって気付いたことがあります。それは、「世代を超えて引き継いでいるものがある」ということ。幼少期、親が喧嘩しているのを見て、嫌だなと感じていたのですが、私も息子たちにまったく同じことをしていたのです。先祖代々、悪いものも良いものも意識せずに引き継いでしまうことに気付かされて、ハッとさせられました。それに気付かなければ一生変わることはできませんが、気付くことができたら変わるための一歩を踏み出せる。私たちの世代で負の連鎖を断ち切りたいと強く感じました。

 アヤワスカ儀式を終えたあとは、愛に包まれているような幸せに満ちた感覚があり、気持ちもスッキリとしていました。シャーマンが歌ってくれた魂の歌『ICARO(イカロ)』がすべてを導いてくれ、奥底にいる私を引き出し、癒してくれました。アヤワスカが、私が心から求めているものが何だったのかと、これから進む道を教えてくれたのです。

 普段の自分の思考の範囲内では、狭い視野でしか物事を考えられないものですが、アヤワスカは奥底にいる自分に出会わせてくれる……。じっくりと自分を見つめ直すことができた素晴らしい体験となりました。アヤワスカの感じ方は人それぞれでしょうが、「こんな世界がある」ということを皆さんに知ってもらえたらと思い、今回は私の体験をシェアさせていただきました。

 私たちの旅は、まだまだ続きます。次回もペルーの旅の模様をお届けしていきます。お楽しみに!

シャーマンを囲む、ミミさん一家

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