やりたいことがあるなら今やろう!「世界一周、親子旅」#20

息子たちの発熱

 こんにちは! 家族4人で世界一周旅を続けているMimiです。今回はタンザニアで息子2人が発熱した時に体験した「アフリカの医療事情」についてお伝えします。

 アフリカ大陸到着後、ナミビア、ザンビアと順調に旅を続け、世界旅18カ国目となるタンザニアに無事入国。アフリカ大陸を北上中、何度となく悪路に泣かされながらも家族元気に旅を続けていたのですが、タンザニアを北上中に立ち寄ったモシ(Moshi)という街でハプニングが起きました。突然、息子2人が発熱したのです。

 アフリカ最高峰キリマンジャロの麓に位置する街、モシ。キリマンジャロ周辺のトレッキングや観光をしようと様々な計画を立てていた矢先の出来事でした。

 その日はモシ在住の日本人の方が通っている大学を案内してくれるとのことで、家族で大学を訪問していました。お昼近くになると、朝は元気だった次男がぐったりとして関節痛を訴えるので、すぐに熱を測ってみたら、なんと40度の高熱が出ているではありませんか! アフリカには蚊を媒介とするマラリアやデング熱などありとあらゆる感染症がありますが、初期症状が風邪と似ているものが多く、なかでも特にアフリカで流行している熱帯熱マラリアは重症化すると致死率が高い恐ろしい感染症です。母(私)が焦ったことは言うまでもありません。

 しかも、モシの前に訪れたダルエスサラーム(Dar es Salaam)という港町で家族全員が蚊に刺されていたので、この状況を甘くみず、家族全員で病院へ行くことにしました。

必死に看病することしかできない現実

 モシの街で一番大きな私立病院の救急外来へ。幸運にも一緒にいた現地在住の日本人の方が病院に付き添って下さいました。採血、採尿、マラリア検査、レントゲン検査を受けて、解熱剤と抗生剤を点滴。受診は時間がかかることを覚悟していましたが、一通り終わるまでになんと約6時間を要しました。

 結果、マラリア検査は陰性。レントゲンも異常ありませんでしたが、採血や採尿の結果は翌日と言われ、診断がつかないまま帰宅を余儀なくされました。

 キャンピングカーに戻ると解熱剤が切れたのか、その夜に次男の熱が再び39度後半まで上昇。マラリアは陰性と言われたものの、診断がはっきりしない状況での看病は辛いものでした。万が一、この状況が重症化したら息子の命に関わる——親でもすぐには治してあげられない非力さを痛感しました。

 その翌朝、息子の体温を測ると37度台まで解熱。その日の午後には自転車を乗り回して遊んでいました。なんという元気さでしょう! 子どもは病気が悪化するのも早いけれど回復力も早い。病院の診断は「細菌感染症」でしたが、地方の病院では検査できるものも限られているため明確な診断は困難なので、これが正しい診断結果かどうかはわからないものの、とにもかくにも回復して本当に良かったです。  と、安心したのも束の間、次男が回復した翌日、今度は長男も39〜40度台の高熱を発熱。家族旅をしている以上、家族内感染は宿命なのかもしれません……。念のために購入してあったマラリア検査キットを使用して調べたところ陰性だったので、病院には行かず、様子を見ることにしました。幸い2日ほどで回復し、大事に至らずに済みました。

タンザニアと日本の医療の違い

 今回、初めてタンザニアで病院に受診し、アフリカと日本の医療の違いを感じました。

 まず気づいたのが、病院への支払い方法です。タンザニアの病院は、基本的に現金で前払い制。お金を先に支払わないと、検査も診察もしてくれません。公的な医療保険に加入できる人は公務員や条件を満たす企業などに限られており、民間の医療保険は高額で加入者が少ないというのが現状のようです。日本は「国民皆保険」で傷病手当金や高額療養費制度など公的なサポートも充実しているので、「お金がないから治療を諦める」という話をあまり聞いたことがありませんが、タンザニアでは貧困のために治療を諦める人もたくさんいると聞きました。治療を受けない(受けられない)ということは、場合によっては死を選択することと同じですから、アフリカの厳しい医療事情を目の当たりにしました。

 また、高度医療の状況も異なります。タンザニアには大都市であっても日本のような高度医療が受けられる病院はほとんどなく、人工呼吸器も国で数えるほどしかないそうです。私たち家族が受診した地方病院も検査器具や診断が十分ではなく、「安心して医療が受けられる状況」ではありませんでした。

 119番のような救急システムも機能していないため、救急車が必要な場合は民間の救急搬送サービスか受診したい病院に救急車を要請するしかないそうです。日本では緊急時ならばすぐに救急車を無料で要請することができますが、タンザニアでは救急車も高額だと聞き、日本との違いに愕然としました(編集部注:アメリカもタンザニア同様、救急車は高額で約1000ドル=約14万円)。

日本語が車体に書かれた古い救急車も

 「日本では助かる命も、アフリカでは助からないかもしれない……」。アフリカの厳しい現実を目の当たりにすると共に、救急システムが整備され、高度医療や公的なサポートが充実している日本がどれだけ恵まれているかを思い知らされました。

 旅ができるのも健康な身体があってこそ。健康のありがたさを再確認する時間となった今回の経験を機に、より一層気を引き締めて、現地での情報収集や医療事情を把握しながら旅を続けていこうと感じました。

 私たち家族の旅はまだまだ続きます。次回もお楽しみに。

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