
九州出身で英国在住歴23年、42歳で二児の母、金髪80キロという規格外の日本人マルチメディアアーティスト大渕園子が、どうすれば自分らしい40代を生きられるかを探してもがく痛快コラム。40代はあと8年。果たしてそれは見つかるのか?!
健康診断を受けてみたら……
先日、NHS(英国国民保健サービス)から健康診断の案内が届いた。せっかくなので近所の病院で診断を受けてみたところ、結果は少しショックなものだった。コレステロール値が高めで、BMIはほぼ30%。医師から「このままでは少し危険ですよ」と穏やかに言われ、食生活と生活全般を見直すよう勧められた。
私はここ数年、自分の体重を特に問題視したことはなく、減量を考えたこともなかった。けれど、コレステロールを下げるとなると、単なる体重管理ではなく生活を根本から変える必要がある。そう気づいてから、この3週間で日々の食事を大きく見直した。というか、見直さざるを得なかった。
食事改善だけでこんなに変わるとは!
医師のアドバイスはシンプルだった。「炭水化物を減らし、タンパク質をしっかり摂ること」。それを実践するために私は毎食に必ず卵か鶏肉、または豆類を取り入れるようにした。さらに、食べる順番も変えた。まずタンパク質を食べ、次に野菜、最後にご飯やパンなどの炭水化物。炭水化物も精製されたものを控え、玄米や全粒パンを適量にしてみた。
すると、たったそれだけのことなのに、体が少しずつ変わり始めたのだ。運動量は以前と変わっていない。散歩が日課程度。それでも、まず胃もたれがなくなった。食後のだるさが減り、朝起きたときに体が軽い。気づけばお腹まわりの余分な肉が少し引き締まったように感じ、体重もこの3週間で自然に1キロ減った。
何よりも驚いたのは、肌と髪の変化だった。秋から冬にかけていつも乾燥してカサカサになる肌が、なぜか今はしっとりとしている。鏡を見るたびに「なんだか艶がある?」と思うほどだ。髪の毛にも少しハリが出て、根元がふんわり立ち上がるようになった。
小さな実験だと思って楽しむ
思い返せば、これまでの私の食生活は圧倒的にタンパク質が足りていなかったようだ。食事の中心はご飯やパスタ。ご飯はどんぶりで食べ、パスタは二人前を軽く食べられていた。おかずはそれに比べれば割合が少ないものの、きっとおかずの量も普通の人が食べる2倍の量はあったはずだ。そこに気をつけて食生活を見直しただけで、体の反応がここまで違うとは驚いた。
もっとも、いいことばかりではない。ここ最近、少しお腹を下すことが増えた。調べてみたら、長年タンパク質をあまり摂っていなかった人が急にそれを増やすと、腸が驚いてこうした反応を起こすことがあるらしい。だから、しばらく様子を見ながら体の声を聞いていこうと思っている。
私はいま、毎日の食事を「実験」のように楽しんでいる。食べたいものをただ我慢するのではなく、体の変化を観察するのが面白いのだ。その流れでYouTubeで健康管理のショート動画を見始めたら、アルゴリズムでどんどんそれ系の動画ばかり出てくるようになり、まるで専属コーチがついたような気分になっている。
再検査はあと2か月後。その時どんな結果が出るのか、今から少しワクワクしている。この小さな実験が私の体と心にどんな変化をもたらすのだろう。それを楽しみに、今日も私は卵を割る。








