バーンアウト(燃え尽き症候群)に気をつけろ!
介護ってなんだろう?

<やまなし介護劇場>
「母、危篤」の連絡を受け、東京から故郷山梨へ飛んで帰って早13年。50代独身の著者が愛する母を介護しながら生活する日々を明るくリアルに綴ります。

なんやかんや田舎って忙しい

 前回、介護を始めた当初の「ボアアウト(退屈症候群)」について書きましたが、少しずつ社会とコミットし始めると……田舎暮らしって、意外と忙しいのです。

 まずトライしたのは、畑仕事。「田舎暮らしときたら畑でしょ!?」ぐらいの気持ちでしたが、これが忙しい! 大地と触れ合うことで癒しはあるものの、雑草との格闘は綺麗事でなく、気を抜くと畑はすぐにジャングル化するので、中途半端な気持ちでは立ち向かえません。春に種や苗を植えても、夏には畑は草ボーボーというトホホな景色に……。仕事を始めてからは手が回らず、畑は妹任せになりました。とはいえ、妹も私に負けず劣らず草ボーボー農法(本人は「自然農法」と言い張っていますが、笑)。

 そして私は、今は庭の片隅で「ほったらかし農法」をしながら茄子と唐辛子を育て、なんとか収穫できています。かつて元気だった母は働きながら農業も好きで頑張っていたので、そんな母の遺伝子スイッチがいつか発動してくれると信じ、毎年、草に敗れつつも「来年こそは」と心にリベンジを誓っている姉妹です。

 さらに、父が生前参加していた地域奉仕活動(地元の山の環境整備)にも首を突っ込んでしまい、資料作りのお手伝いや町への要望出しなどの雑用係を手伝うようになりました。草取りすらヘタレな私に出来ることなんてあまりないのですが、会の高齢化が進み、慢性的な人不足ゆえ、今ではなんと私が会長に(笑)。田舎暮らしのノウハウも身につけられないまま「山」と向き合うのはハードルが高すぎると内心ヒヤヒヤでしたが、山へ行き黙々と作業していると雄大な自然に癒されて、登山客との一期一会のコミュニケーションも日常をしばし忘れる貴重な時間になっています。

「忙しい!」の先にあるもの

 結局、母の介護に加えて仕事や農業や地域活動をする日々は、東京にいた頃と変わらぬ忙しさ。これはもはや性分で、自分で自分を忙しくさせているのではと思うこともあります。もっと言えば、忙しさに自分を埋没させることで、生きている実感を得ているのかもしれません。

 ならば、この忙しさがハタと途絶えたら、自分はどうなってしまうのか……。

 そういう時に「バーンアウト(燃え尽き症候群)」と呼ばれるものがやってくると小耳に挟んだので、さっそく調べてみたところ、これは忙しすぎや、のめり込みすぎた反動として出る症状のようです。重い場合は意欲低下やうつ症状にも繋がってしまう危険性もあるとか。「ボアアウト(退屈症候群)」についても書きましたが、結局……退屈でもウツ! 忙しくてもウツ! どっちやねん??ですよね(苦笑)。

バーンアウト(燃え尽き症候群)の処方箋

 母の自宅介護をはじめて、早13年。長年この生活を続けてきたので、私にとって一番想像がつかないことは「母がいなくなる日」なのかもしれません。

 いつか終わる介護だと分かっていても、これだけ長く続くと介護が終わった後の想像がおぼつかないのです。母の介護を始めたときの私は43歳で、今56歳。自分の還暦も目の前です。還暦が近い、もしくは還暦を過ぎて介護を終えた私はそこからどう生きていきたいと思うのでしょうか。

 来たるべき晩年への「準備期間」をどう過ごすべきか、考えることは多々ありますが、これからはボチボチ「自分なりに培ってきたもの」をラインナップしてみようかと思っています。それを見て「どれが一番ワクワクしたか?」「どれが世のため人のためになるか?」など、そんな視点で考えながら、やりたいことを整理してブラッシュアップしていく。ただし、焦ることはない。退屈しすぎず忙しすぎず、程よく適当に先のことを考えながら生きていくのが、結局のところ「処方箋」ではないかな、なんて思ったりしています。

【介護人の悩み 教えて!ChatGPT】

Q:介護人のその後って、どんな将来? 世の中の傾向をリサーチして!

<ChatGPTの回答> ※AIのChatGPTに聞いてみました(提供:OpenAI)

(この質問を投げたところ、やはり介護職をお勧めされました、笑。なので「介護職はいやだなぁ。親の介護でおなかいっぱい(笑)」と返したところ、以下の回答が来ました)

↓↓↓
わかります、それ。
自分の親の介護を何年も続けてきた人にとって、プロの介護現場に飛び込むのは「おかわり禁止にしてくれ!」って感覚になりますよね。

(と、共感性高すぎの回答が!しかし、その後はあまり役に立たない情報を長々と並べられました。ちょっぴりハッとさせられた回答が下記です)

↓↓↓

心理的な流れ

・介護終了直後は燃え尽き症候群になりやすい。

・1〜2年はフルタイムの仕事よりも「回復+小さく稼ぐ」ほうが精神的にも体力的にも安定しやすい。

・自分の時間を取り戻す過程で徐々に「やりたいこと」が浮かんでくる。

(なるほど。燃え尽き症候群は必ずやってくるから、その時はゆっくり回復していけばいいわけですね。ChatGPTはさらにこう続けました……)

 もしよければ、「介護卒業後の人生リスタート計画」として、あなた向けの「介護職以外の道マップ」を作ることもできます。今のエネルギー残量や興味の方向から逆算して。
(と来ましたが、今回はお断りして終了、笑)

<一服のコメント>
 だんだん会話のキャッチボールが上手くなるAIに、もはや愛着すら湧いてきました。まるで私のツボが分かってるかのような言語センスで返してきます、笑。今回はたとえバーンアウトしても、ゆったり行くのが肝心という点が勉強になりました。

庭にて。雑草のようにグングン育つ茄子と傍らで寝そべる猫たち

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