
願いは自力でしか本願しない!
みなさんも良く使う言葉に、「他力本願」というものがあると思います。他力本願とは「他人の力をアテにして、何かを成し遂げようとすること」などという意味で使われることが多いですが、本来は仏教用語です。浄土、阿弥陀信仰に出てくるもので、「行う修行によりその功徳で悟りを得るわけではなく、人は阿弥陀さまの本願によって救済されるのだ」ということを意味します。ですから他力を頂くのは阿弥陀からとなり、他人からではない――正しくは、ちょっと意味が違うんですね。
ですが、今回は一般的に使われる意味での「他力本願」に軸を戻してお話しさせてください。私はパスファインディングのトレーニングを行う際、他力本願の逆の意味の表現で、「自力本願」という言葉を使います。「人が何かを望んだり、成そうとする際、それは自分が自力で頑張らなければいけない」という意味で。
そもそも論として、自分の人生を開拓できるのは、自分のみ。しかし、つい人はそれを忘れてしまう……。「自力でないと、本願できません」というのは、理に適っていると思うのです。このシンプルなことを置き去りにしてしまっては、人生、上手くいくはずのものも行きません。
自力本願を遠ざけるのは、「言い訳」
自分と「自力本願」を遠ざける要因の最大要素は「言い訳」です。自分が前に進めない理由を肯定してしまう理由は、外因によってその道を妨げられてしまうよりも、実は強力なものです。言い訳が癖になってしまうと、自らが日常的に「それをしないでよい状態」を生み出してしまうからです。
例えば、みなさんは以下のような調子で、人生に言い訳をしていませんか? 怖いのは、こうした無意識の言い訳が「癖」になるという点です。ちょっとチェックしてみてください。

自分が頻繁に使う「言い訳」をあぶりだそう!
みなさん、心当たりがある言葉はありましたか? 先にも述べましたが、言い訳が厄介なのは必ずそれが癖になるという点です。そうならないためには、自分がどんな「言い訳」をしがちなのかを、理解しておくのが一番。このタイミングで「言い訳」をあぶりだしてしまいましょう。
ステップ1
「やらなければいけないのに、面倒だ」と思う場面や、「きっと頑張ってもムダだろう」など、及び腰になってしまうような場面を思い浮かべて下さい。自分が過去に経験した具体的なシーンを思い出してみても良いと思います。出来る限りそれらを具体的にして、紙に書き出してみます。
ステップ2
次に、書き出した場面ごとに「どうして自分がそう思ったのか」を、具体的に書き込んでいきます。そうしたことが起こる際の思考や行動のパターンを、出来る限り俯瞰して理由を書き足して行ってください。
このあぶり出しは、自分の思考の癖を理解するのにとても役立ちます。人はなかなか自分のことを客観視できないものですが、あえてそれをしてみることで、今まで気づかなかった「つまづきのポイント」も理解できるようになります。
長い人生、進むべき道には困難はつきもの。その困難に背を向けたのでは、本来の人生を楽しむことはできません。自分がそうした困難に背を向ける時のパターンが分かってくると、言い訳をする回数が減るものです。ぜひ試してみてください。
