青い海に泳ぐオタクを狙え!

「レッドオーシャン」と「ブルーオーシャン」を理解せよ

 ビジネス戦略で「レッドオーシャン」、「ブルーオーシャン」という言葉が使われているのを耳にしたことはありませんか? 「レッドオーシャン」とは競合が多い競争の激しい領域を意味します。つまり血で血を洗う赤い海ですね。対して「ブルーオーシャン」は、競争のない未開拓市場。競合相手のいない青く澄んだ領域を意味します。当然、ブルーオーシャンの方がじっくり腰を据えて好きな魚が釣れるわけです。

 「成婚白書2020」(日本結婚相談所連盟)によると、成婚しやすいのは弁護士や公認会計士などの士業が上位を占めています。さらに彼らにイケメン、高身長、高収入などの条件が加わると、それはもう赤も赤、真っ赤なレッドオーシャンです。赤い海を泳ぐ男たちは、自分の価値をよくわかっているので女性は選び放題。基本的に彼らは、赤い海に生息する女性にしか目を向けません。クラスで一番人気のイケメンが、冴えないメガネっ娘に恋をする話は、漫画の世界でしかありえないのです。そんな激しい海域で血を流し、泥沼試合を繰り返しても疲れるだけ。赤い海で外面だけがいい不良物件をつかんでも、「あんなに苦労したんだからっ!」と、盲目になって執着してしまう危険性もあります。

青い海に広く浅く生息するオタク

 そこで、目指すはブルーオーシャン! 青い海の狙い目、それはオタクです。オタクと聞いて。「えー! ヤダー!」と反応したアナタ、ちょっと待った! ひと口にオタクといっても、それこそ趣味の数だけオタクがいます。アニメや映画で人気になった『ヲタクに恋は難しい』というお話をご存じですか? ルックスも良く、仕事もできるハイスペック男子だけど重度のゲームオタクの男性と、隠れ腐女子の不器用な恋愛模様を描いた作品です。映画ではゲームオタクを山崎賢人が演じていましたが、これは美化ではありません。オタクがメジャー化した現在、一見してオタクとわからないオタクが増えているのです。かつてオタクの代名詞と揶揄された、ボトムinのチェックシャツにバンダナ、指ぬきグローブなんてファッションの人は、今や秋葉原を探してもほとんど見かけることはできません。

 そもそもオタクとは、「こだわりのある対象があり、その対象に対して深い造詣と想像力を持ち、人によっては情報発信活動や創作活動なども行う人」です。言い換えれば、特定の分野に関して、この上なく知識や見識が深い人でもあります。そういう意味では、大学の教授なんて、オタク中のオタクとも言えるでしょう。基本的に彼らは趣味に使う時間が長いため、女性との出会いが少ない人がほとんど。もともと追究することが好きなので、研究職や開発職など、レッドオーシャンの職業に就いている人も少なくありません。ここを狙わずして、どうする!?

 ただし、その追究している対象を吟味する必要はあります。つまり「何ヲタ」なのか、というポイントです。オタクというと、一般に思い浮かべるのは、アニメ、漫画、ゲーム、アイドル、鉄道といったところですが、前述したように趣味の数だけオタクがいます。私の周囲にも古墳ヲタ、ダムヲタ、メダカヲタ、プロレスヲタ、神社ヲタ、筋トレヲタに健康ヲタまで青い海に広範囲に生息しています。ここで避けたいのは、アイドルヲタのように「理想の女性が固定化してしまっているタイプ」です。ゲームやアニメヲタでも、ゲームやアニメそのものではなく、登場する女性キャラ萌えの人。そんな人でも二次元のキャラと三次元の女性に対し、「それとこれとは別!」という思考の持ち主なら問題ありませんが、そうでないケースは少し注意が必要です。

オタクの彼との付き合い方

 「でも、私はオタクじゃないし、話が合わないかも」と心配しているなら、それは杞憂です。なぜなら、オタクは自分の趣味の内容を理解してもらおうとは考えていないからです。批判や否定されないだけで十分です。欲を言えば、「そういうものが好きなのね」と認めてもらえれば最高に幸せです。これはオタクの私が言うのですから間違いありません。

 一番困るのが、同じジャンルのオタク同士で意見が異なること。たとえば、ガンダム好き同士で意気投合したと思って深く話を聞いてみると、彼は地球連邦軍(主役側)が好きで、こちらはジオン軍(敵側)が好きということが発覚。これでは2人の間に深くて暗い溝が生まれてしまいます。それならいっそ、「ガンダムなんて観たこともない」という人とのほうが付き合いやすいのです。

 彼の趣味に興味が出て、一緒に楽しめるならそれに越したことはありませんが、無理は禁物。こんな話がありました。A子さんとB男さんは、互いに音楽が好きでよくライブに通っていました。二人は付き合うようになり、A子さんはB男さんの好きなアーティストの曲を聴いたり、ライブに同行するのですが、どうしてもそのアーティストが好きになれません。聴くのが苦痛になり、B男さんのことまで嫌いになりかけたときに、思い切って告げました。「どうしても好きになれないので、ライブはそれぞれのファン友達と出かけよう」と。その時はちょっとギクシャクしましたが、互いの趣向を認め合うことでより理解が深まり、ハッピーな関係になったそうです。

では、オタクの彼とはどこで知り合えるのか?

 もし自分に好きな趣味があるのなら、その趣味に関するサークルやSNSのグループ、コミュニティなどに参加しましょう。よりターゲットを絞りたい場合は、オタク向けのマッチング・アプリもあります。自分がオタクでもなく、特に趣味もないという場合は、これから始めたい趣味や興味のあるジャンルのコミュニティや習い事を探しましょう。

 なかでもおすすめは、男性の方が多いと推測されるようなジャンルです。たとえば車やバイク、格闘技、釣り、登山、カメラ、DIY、囲碁や将棋など。そういったサークルは女性がとても少ないので、紅一点になれる可能性も大。基本的に男性は教えたがりなので、初心者の女性は大歓迎です。釣りや登山、バイク、テニスやジョギングなど、一緒にアクションを起こせるようなジャンルならリアルに顔を会わす機会も増えます。もし出会えなかったとしても、新たな人生の楽しみを発見することは、きっと自分自身の魅力を開花させてくれるはず。さあ、勇気を出してピカピカ輝く青い海に飛び込みましょう!

おすすめの記事