オトナに必要なアサーティブって何?(後編)

3つの「自己主張」パターンと、それぞれの違い

 前編でお話したように、人が何かを主張する時のパターンには、主に3つの種類(攻撃型・萎縮型・アサーティブ型)があります。誰もが目指すべきは、アサーティブ型。「自分の主張を大切にするのと同時に、相手が伝えたいことも大切にして理解しようとする姿勢」を前提にコミュニケーションを取るのが、大人としてのマナー。しかし、これが出来ない人は結構多いのです。

 分かりやすく例をあげて解説しましょう。例えば、みなさんがパートナーと週末に出かける約束をしていたとします。ところが当日になってパートナーは、「別の予定があるので、今日の予定を翌週に延期したい」と言いました。このような場合、みなさんは、パートナーとどうコミュニケーションを取りますか?

● 攻撃型
 「約束したのに、どうして別の予定いれるのよ!(怒)」
 「私との約束があるのに、他を優先させるなんて信じられない!(怒)」

●萎縮型
 「そうなんだ……(悲しくても、これしか言えない)」
 「了解です(これは私を大切に思っていない証拠かもしれない:心の声)」

●アサーティブ型
 「他にも約束しちゃったんだね。とても残念だわ。次からは、もう少し早く予定変更を教えてくれると、私も他のことが出来るので助かるから、そうしてくれるかな?」

「受け入れる」と「受け止める」の違い

 みなさんは、上記のコミュニケーションの取り方の違いをどう受け取りましたか? 攻撃的型の対応は、明らかにネガティブな感情優位になっていますよね。たとえ、みなさんの主張が正しくても、これでは相手との間に緊張が生まれ、信頼関係を築くことはできません。次に萎縮型の対応は、相手に自分の気持ちがまったく伝わっていません。

 一見すると、このふたつには何の共通点がないようにも見えます。しかし、いずれのパターンも「約束が変更された」という事実に対し、まずそれを受け入れてしまっています。その結果、攻撃型は「受け入れたくないことを受け入れなければいけない憤り」、萎縮型は「受け入れたくないことへの悲しみ」という反応が真っ先に出ているのです。

 一方、アサーティブ型のコミュニケーションでは、まず相手が約束を守れなかったという事実を受け止めます。次に、その事実に対し、自分がどう思うか、どうして欲しいかをしっかり述べています。つまり、「相手を責めることなく事実を提示した上で、しっかりと自分の気持ちを相手に伝えること」が実現できています。

DESC法の流れを知っておこう

 以上の例からも分かるように、アサーティブ型のコミュニケーションを心がけると、相手の要求や主張も、自分の考えも尊重できるようになります。アサーティブな対応の流れを分かりやすくまとめた理論に「DESC法」があり、この流れに合わせてコミュニケーションを取ると、生産性の高い、誰も傷つかない対話が可能になると言われています。

 感情に流されず、率直で正直に自分の気持ちを伝えつつ、双方納得がいく合意点を見つけるというアサーティブなコミュニケーション。慣れるまでには時間がかかるかもしれませんが、建設的な人間関係を構築する鍵とも言えますので、この機会に習得しておきましょう。

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