オトナに必要なアサーティブって何?(前編)

責められると「自分が悪いのかも?」と思う心理

 人は生きている以上、多くの人と関わり合う必要があります。関わる人の中には、すんなりと自分を受け入れてくれて心地よい関係が築ける相手もいれば、そうでない相手も大勢いるはずです。苦手意識、どうしても分かり合えない部分がある、何となくその人と話しているとイライラしてしまう……。それでも「その人」と何とか折り合いを付けねばならないとき、あるいはコミュニケーションを取らねばならないとき、あなたはどんな風にその相手に接するでしょうか?

 特に、相手との間に意見の相違がある際、相手からまるで責められるように言われてしまったら、みなさんはどう反応するでしょう? 自分の意見を相手に伝えられないだけでなく、「相手がこんなに責めるのは、自分が何か悪いことをしたかな?」などと思ってしまうかもしれません。たとえ、明らかに自分が悪くない場合でも……。

 今回と次回の2回に渡って、人間関係で真の「対等さ」、「公平さ」を実現するために必要な「アサーティブなコミュニケーション」を解説していきます。アサーティブさを学ぶことが出来ると、相手の主張を受け止めつつ(「受け入れる」のではなく)、自分の率直な考えを相手に伝えることが出来るようになります。ストレスの軽減、コミュニケーションの生産性向上、心地よい人間関係の構築と良いことだらけです。

自己主張をズバズバ言語化する人の「不公平」

 人間関係はどんな場合も「公平さ」が大切というのは、誰でもわかることだと思いますが、実はこの「公平」というのは本当に難しいものです。例えば、自分の考えや主張を言語化できる人と、そうでない人が話をすると、時に何もかもが言語化できる人の言いなりになってしまうことがあります。そういう状況は明らかに「不公平」です。そして多くの場合は、意見を言わなかった方は「言わなかった」という事実が意思表明になってしまうので、不公平でも相手に寄り添うしかなくなってしまいます。

 意見を引っ込める方は、「意見を戦わせてケンカになるのが嫌だ」、「なるべく事を荒立てたくない」などと思うかもしれません。けれど、意見や考えを語らず飲み込むことは、百害あって一利なし。相手に対しても自分に対しても、将来的によい結果を生みません。

 なぜなら「その場を取り繕う」、「穏便にするために黙っておく」という対処法は、「言いたいことが言えないという不公平さが解消されないまま」関係を続けなければならなくなるため、その時は切り抜けられても、将来的にはバレるからです。その顛末は、その相手との「別離」だったり、我慢し続けた人に起きるメンタルの不調だったりと、よいことがありません。

アサーティブって、どういうこと?

 アサーティブを学ぶ大前提として、頭に置いておく必要があることは、「人はみな、違う」ということです。つまり、「相手と自分の意見や考えは、違って良いのだ」ということ。言われてみれば当たり前なのですが、誰かとの間でコミュニケーション不全が起きている時などには、そのことを忘れてしまいがちです。

 相手の反応を無視してズバズバと言語化してしまう側には、「自分は正しい」、「どうしても、この意見が正しいことを分からせたい」というような心理が働いていることが多く、自分の言葉を引っ込める方は、「本当は自分の意見はあるけれど、事を荒立てたくない」というような心理が働いたりします。そのいずれの心理も思考も、健康的とは言えません。

 アサーティブとは、「自分の主張を大切にするのと同時に、相手が伝えたいことも大切にし、理解しようとする考え」を指します。自分の主張を言語化するときには、主に3つのパターンがあると言われています。あなたは誰かに自分の意見を伝える際、どんなパターンにはまりがちですか? 

 健康的で生産性のある公平な主張パターンは、アサーティブです。また、上図のそれぞれのパターンに赤字で書かれている「違いの受け入れ、受け止め」は、とても重要な要素ですので、一度立ち止まって考えてみてください。次回は、具体的な演習をご紹介します。

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