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あいまいな、「本当の自分」という言葉の定義

 みなさん、こんにちは。グッドイヤー・ジュンコです。新しい一年のはじまり、いかがお過ごしですか? 年のはじまりというのは、多くの人が新しい誓いを立てるタイミングだったりします。「一年の計は元旦にあり」という言葉がありますが、その言葉が表すように、今年の目標や計画などをすでに立てた方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか?

 そんな時、多くの人が今までの自分を顧みる作業をします。その目標や計画、自分が本当に望むものを手にするために何が必要なのかを考える時に、人は往々にして「自分」に目を向けるものです。そして、こんなことを考える人もいるでしょう。

 望んでいる状況が得られていないのは、今のままの自分がダメだから?
 何かを得るためには、もっと頑張らなくてはいけない?
 あるいは、自分を変えて「本当の自分」を見つけるべきだと思う?

 そんな風に思うときほど、ちょっと考えて欲しいのです。みなさんが「本当の自分」という言葉を使う時、その言葉の意味をしっかり定義化しているでしょうか? あなたにとっての「本当の自分」って、一体どんな自分なんでしょう?

パスファインディングとは「道」を見つけること

 私は現在、このコーナーのタイトルでもある「パスファインディング」というものを、多くの方々にお伝えする活動をしています。パスファインディングを日本語に訳すと、「パス=道」、「ファインディング=見つける」、つまり「道を見つける」というような意味になります。人の人生は「道」という言葉に例えられることが多いですよね? つまりパスファインディングとは、「自分が望む道」を見つける方法というわけです。

 そんな風に話すと、みなさんはそれが「人生出歩くべき大きな一本道を見つける方法」だと思うかもしれません。何の迷いもなく、まっすぐ未来につながる一本道を自信をもって歩ければ、なんだか気分が良くなりそうです。しかし実際には、人生の道は大きな一本道とは限らないのです。みなさんがこの人生で歩くすべての道は、未来に続いているでしょう。けれど、それが一本に集約されているわけではないし、実際には歩くべき道が一本である必要は必ずしもないと思うのです。

 それは、なぜでしょうか?

「本当の自分」は、実はたくさん存在する

 その理由を説明するために、ここでちょっと話を元に戻しましょう。先ほど私は、「本当の自分」という言葉の定義化は出来ていますか?ということをお話ししました。実はここに、自分が歩くべき人生の道を、しっかり歩くべきヒントが隠されています。

 人はあまりにも簡単に「本当の自分」という言葉を使ったり、まだ見ぬ「本当の自分」を探そうとしたりしますが、年齢を重ね積み上げてきた「自分」は、そう簡単には変わるものではないのです。もちろん私自身も含めてですが、不完全でいびつで、しょうもない部分があったとしても、それも含めて自分自身なのです。そして、そうした自分が「本当の自分」でもあります。

 しかし、その「本当の自分」を構成する要素は、実は複雑です。なぜかと言うと、人はさまざまな「役割」を背負って生きているからです。たとえば、あなたは自分の人生において、どんな役割がありますか? あなたは両親にとっては「娘」であり、子供から見たら「親」という役割を持っていますね? 友達から見たら「友達」という役割、会社に行けば「XXX会社の社員」という役割があります。そして人は、それらの役割によって、無意識に少しずつ、その役割に対する「自分自身」を変えているのです。

 「私」という人間を紐解くと、その存在は実に多面的であり、たくさんの「私」が存在していことが分かります。そして、その「私」はすべて本当の私であって、あなた自身の一部なのです。

 そう、「本当の自分」とは、実はたくさん存在するものなのです。

自分とって、心地よい「私」を選択する

 「パスファインディング」で大切にすべきこと、それは自分にとって心地よい「私」を選択し、苦しいと思う役割上の「私」の在り方を、少しずつ手放していくことです。他人というものは身内も含め、一方的に「これがアナタという人間だ」という具合に、無意識にあなたという人間を一定の役割におきがちです。それはある程度、どんな人間関係においても存在するものですが、相手が要求してくる一方的な役割に、NOと言うことができないまま身をおいている時、人は誰もが一種の苦しさを感じるようになります。そんな時、多くの人の心はこんなことを叫んでいるでしょう。

 「どうしてこの人は、私の痛みを分かってくれないのだろう?」
 「私の努力は、どうしたら認めてもらえるのだろう?」
 「愛しているのに、大事にしたいのに、どうして分かり合えないのだろう?」

 人はみな、自分にとって心地よい自分自身を押し殺した状態になると、幸せではないと感じるものなのです。それは、当然のことですよね? では、そんな時どうすればいいのか? それを知っていくことが「パスファインディング」なのです。

 無意識のうちに引き受けてしまった「役割上」の「自分の顔」は、自分自身がそれに気づいて、手放していくしかありません。「新しい自分」や「本当の自分」を見つけようと躍起になるよりもずっと大切なのは、自分の中にある多くの役割をしっかり把握し、自分自身の「使い方」を知ることに他ならないのです。

 この連載では、「パスファインディング」の基礎を、皆さんに少しずつ紹介したいと思っています。次回から何回かに分けて、人が人生で背負いこむ「役割」について解説していきたいと思います。お楽しみに!

 

 

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