仲良し夫婦を実現する②:トーク

毎日パートナーと話していますか?

 夫婦でも恋人同士でも、一緒にいる時間が長くなればなるほど、パートナーとの会話の質が下がる傾向は否めません。相手の存在が「あたりまえ」になってしまうと、慣れが出たり、「別に後でいいや」となってしまったり。二人の会話が、生活の優先事項の下の方になってしまうのは「アリアリ」だったりします。

 たとえば出会ったばかりの頃だったら、たった一杯のお茶を飲むだけでも、そこから会話が膨らんで会話が止まらなくなったのに、いつしか一緒にいても「用事の伝達」以外は話さなくなってしまう……。特に結婚後に、そうした状態に陥っているカップルは、少なくないと思います。

 みなさんが、パートナーと最後に時を忘れるほど話したのは、いつでしょう? 話しても話しても時間が足りず、夜が明けてしまったような経験は、最近あるでしょうか? 昔はあれほど会話が楽しかったのに、なぜか口数が少なくなっている――もしも、これに当てはまるようだったら、みなさんの方から積極的に会話が生まれる働きかけをした方が良いかもしれません。

愛情をかけると、愛しい気持ちが沸くメカニズム

 人は面白いもので、相手への「投資」をすればするほど、愛情を持つようになるものです。投資と言っても「お金を遣う」ということだけでなく、「時間」や「労力」を使うという意味も含まれます。また、そうした投資の対象というのは、興味深いことに人間だけに留まらない場合もあります。

 たとえば、車を表す表現に「愛車」という言葉があります。メンテナンスを怠らず、週末のたびにピカピカに車を磨き、車内を掃除して、車を心地よい場所にするために手間をかける――こうした行為は、まさに車に対する時間と労力を投資している状態です。そして、こうした手間をかけ続けることが、車を「愛車」たらしめることにつながり、自分の車に対し、特別な愛着を感じさせるのです。

 子供やペットの場合はどうでしょう? ほとんどの場合、ペットや子供を育てることは、大きな労力を必要とします。ときにペットや子供は、みなさんにトンデモナイ精神的な苦痛や不安すらかけるでしょう。小さいうちだったらトイレの世話もあるだろうし、独り立ちするまでずっと見守り続ける必要があります(ペットに至っては独り立ちすることはありません、笑)。雨の日も、風の日も、どんなに自分の体調が優れなくても、みなさんを頼るしかない子供やペットを放置するわけにはいきません。

 しかも人間の場合、成人してからも、子供は不当にみなさんのスネをかじるかもしれません(笑)。そして、ほとんどの場合、人はそれでも彼らに愛を傾け続けます(そうではない悲しいケースも、もちろんありますが)。

 つまり子育てをすることや、ペットを飼って愛情を費やすことは、彼らからの何らかの見返りを期待する行為ではないのです。育てた恩をいつか返してくれるとか(それを期待する人もいるのかもしれませんが)、ペットが自分の老後の不安を解消してくれることを期待するとか……。そんな確約しようもないことを、予め求めて愛情をかけるなんてことは、まともな人ならしないでしょう。

 何が言いたいかというと、人は愛情をかければかけるほど、その対象に「愛」を持つようになるということなのです。これは男女関係においても言えること。「最近パートナーに対して無関心で、会話もなくなったかも」と思うなら、お相手のために費やす時間を増やすのが一番、というわけです。

 「トーク」は始めやすい愛情投資でもあります。その日にあったことを毎日話す時間を設けるようにし、相手にもその日の出来事を話してもらうようにする……。まずは3分でよいので、そうした時間を持つようにしてみましょう。業務連絡的な話ではなく「上司にこんなことを言われて、とても嬉しかった」とか、「買っているネコと子供がこんな遊びをしたんだけど、感心してしまった」とか、その日の出来事に関する自分の気持ちを話すのがベストです。

 この習慣が素晴らしいのは、相手も時間を投資する必要がある点です。一方的な行為にはなりません。そのため、自分も相手側も5分間の愛情あるトーク投資を習慣化することによって、その時間が二人の大切な時間に変わるはず。是非、試して欲しいと思います。

愛情を費やすには注意が必要な場合も

 しかし、夫婦関係が決定的に壊れてしまっており、精神的苦痛や肉体的苦痛を伴う場合、愛情の連鎖を断ち切る必要もあります。その人といることに我慢するという時間的・精神的な「投資」をしてしまうと、それが不要な「情」になってしまうこともあります。残念なことですが、ご縁あって結婚したとしても、暴力や借金癖、飲酒、ギャンブル依存などで相手がみなさんを傷つける場合には、「結婚を解消する」ことで、自分を守らねばならない場合もあると思います。今、辛い状況にある方は、冷静にご自身の状況を分析してみてください。

 先ほどお伝えしたように、愛情のメカニズムというのは不思議なもので、その相手に対して時間や労力を使えば使うほど、愛着、つまり「情」が移るという、厄介な側面があります。別れたほうが良いと分かっていながらも、生まれた「情」がそれを阻んでしまうことは、珍しいことではありません。どうにもならない辛い状態で、身の危険や生活の危険を感じる場合には、しかるべき場所に相談するなどの対処に踏み切ることも大切です。

 また、愛情のメカニズムの特性から考えた場合、相手の心が極端に離れてしまっている時に、自分の一方的な愛をブチまけるのは賢いとは言えません。相手との距離を埋めようと懸命に愛を届けようとすることが、二人の距離を縮めるわけではないことを、忘れないでいてください。必死になる方は、必死になることで、ますます相手に対して「愛情」を感じるようになります。しかし相手は別の人間ですから、一方的に届く愛を「重い」と感じるかもしれないわけです。

 心が離れてしまった相手を振り向かせるために必要なのは、愛を叫ぶ行為ではなく、「待つこと」だったりもします。まずは相手が負担にならないであろう「3分」のトークを勧める理由は、そこにあります。次回はタッチとトークを両方実現しやすい次のステップ、「デート」について、解説します。

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