今夜もハーレクイン#04:ボスとの恋

ボスに恋する、ツンデレ秘書たち

 全世界の女性の心を捉えてやまない恋愛小説シリーズ、「ハーレクインロマンス」。今回は「秘書とボスとの恋」を取り上げます。

 ハーレクインでは「すっかりお馴染み」の組み合わせですが、恋心を隠してツンデレに振る舞う秘書と、独身主義で恋多き億万長者のボスとのラブストーリーは、ハーレクインにおける鉄板。魅力的なボスたちは、たいていとんでもなく鈍感で、恋する秘書の心には気づきもしないというのも、おなじみの設定です。

 「こんなの、セクハラの極みじゃない!」としか言いようがないのですが、恋する秘書はなぜか、ボスが「適当につきあっている」美女とのデートのアレンジや、その美女との別れのギフトの手配までさせられます。読者からすると、「あなた、それでいいわけ?」とツッコミを入れずにはいられないほど、毎度のセクハラ・パターンにイラつくことが多いので、私個人的には実はあまり「ボスとの恋シリーズ」は好きではありません(苦笑)。

 ですが、今回ご紹介する作品に登場するボスは、「とっておきのいい男」です。数多くある「ボス恋」ものの中ではイチオシ! ヒロインのツンデレはパターンにハマっていますが、このヒロインも健気で可愛いので、早速、作品を紹介します。

『午後5時が待ち遠しい』キャシー・ウイリアムス著

『午後五時が待ち遠しい』(ハーレクイン・イマージュ)

『午後五時が待ち遠しい』(ハーレクインコミックス)

 高身長、黒髪のイケメンボス・ヴィクターは、とても魅力的な男性。凄みがあって貫禄があるヴィクターは、ちょっぴり人使いが荒いところもあります。そんな彼を支え、強引な要求にも淡々と対応している秘書のアリスは、会社でも一目置かれる存在でもあります。

 しかし、冷静沈着でいつも落ち着きを払っている彼女には、弱みがありました。その弱みとは「高身長、黒髪、イケメン」という3点セット。彼女が過去にフラレた男性が、まさにそんな容姿の人だったのです。だからこそアリスは、超好みの自分のボスに恋をしないように必死です。仕事に集中すること、クールに対応し続けることで、なんとか心を暴走させずに自分を守ってきました。

 そんなある日、ヴィクターがとある屋敷を買収しようとしたところで、運命のいたずらが起こります。なんとそこは、アリスがが失恋をした舞台だったのだです。しかも彼女を振った男が、屋敷の主としてまだそこにいる……。そんなことを知らない二人は、交渉のために屋敷に向かいます。そこで二人の運命の恋が走り出すとは気づかずに……。

胸キュンポイントとツッコミポイント

 このボス、本当にかわいいのです。アリスが休暇に行くと「絶不調」に陥り、彼女の元彼が登場するとイライラしたりして。自分では全く気づいていないうちに、すでにアリスにメロメロになっているんです(苦笑)。恋心に気づいた後の彼の可愛らしさといったらもう超、胸キュンです。

 ところがアリスの元カレの登場で、散々いろいろなことが起こり、最後には自制が効かなくなってアリスをクビにしてしまいます。自分のアホさ加減に気づいてアリスを取り戻そうとするも、アリスは拒絶。彼女にはコンプレックスがあり、彼から愛される自信がなかったからです。

 しかし、そこで引き下がるヴィクターではありません。最後には自分の情熱を押し通し、彼女を手に入れます。なんだか読んでいて幸せを感じるハッピーな展開です。

 気になるツッコミポイントがあるとすれば、この二人の鈍感さでしょうか。アリスもメロメロ、ボスもメロメロ。二人とも相思相愛なんだから「普通なら気づくでしょ、お互いの気持ちに!」という感じですが、そうならないのがハーレクインの期待を裏切らないマンネリさなのかもしれません。ストーリーに華を添えるアリスの元カレのダメダメなところも、ツッコミどころ満載です。漫画は高城可奈さんという方が描いていて、とてもきれい。おすすめですよ!

【作品評価】
胸キュン度★★★★★
ヒーローの男前度★★★★★
ヒロインの健気度★★★★★
物語の展開(意外性)★★★

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